内容説明
国王ルイ16世からの密使を受け、王家のために働く決意をしたミラボー。議会で熱弁をふるい、王妃マリー・アントワネットと対面するが、身体は病魔におかされつつあった。一方、教会改革を目指すタレイランの聖職者民事基本法は、僧侶たちの猛烈な反発にあい、難航。軍を掌握したラ・ファイエットが、議会でも影響力を強めてゆく。入り乱れる思惑、激化する権力闘争――革命の行方は? 波乱の第5巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
43
理想、野心、革命は混迷していきます。ラ・ファイエットが台頭し、国王をもしのぐ権力を掌握しようとしていく中で、ミラボーの王家のために働く決意が潔いと思いました。教会改革を目指すタレイランの聖職者民事基本法は僧侶たちの反発で難航していきます。権力争いが起こり始め、ここが1つのフランス革命の山場なのではないでしょうか。王に代わり新たな王を生み出すことは革命ではなくなるため、それを阻止しようとするミラボーにも目が離せません。ただ、ミラボーに昏い影が見え始めたのが気になります。2014/10/31
Book & Travel
36
バスティーユから1年。兵士の反乱や教会改革への聖職者の抵抗など、問題が起きる度に議会は紛糾。政治の混迷が一層深まる中で、ラ・ファイエットが権力を手中にしていく。一方ミラボーは自らの信念と野望のため、時に意外な人物に手を回し、時に得意の演説で人々を惹き付け、存在感を高めていく。神憑かっているかのように冴え渡る手腕が魅力的だ。その反面というか、だからこその輝きか、体調悪化の兆候も。歴史を知ればこの先、激動の展開が待っていることは何となくわかっているのだが、それがどう描かれるのか、ますます気になる所だ。2024/09/04
特盛
25
バスティーユ襲撃からはや1年。教会財産国有化、こんなに簡単に決まるの?と思ったら、やっぱりすんなりは行かないのね。ローマ法王もオコだよ。でももう啓蒙・革命の流れの前には、右派の僧侶の抵抗もなんだか弱弱しく見える。革命のここまでの主役と言っても良い、ミラボー。議場で彼視点で演説の前の光景、心理を描いたシーンがあったが、痺れるね。場を飲みに行く、プレゼンってのはこうじゃなきゃ。激情に駆られず、あくまで冷静に政治の構造を見通すことのできる、迫力ある政治家だわ。彼の一つのピークがこの巻と言えるのか。寂しいなぁ2024/07/31
KAZOO
25
ここら辺がフランス革命の一番の山場となってくるのでしょうが、ミラボーにかなり力を入れて書いている感じがします。王と議会の間を取り持ちながら議会でのやり取りなど臨場感がすごく出ている感じがします。ミラボーはこの間でいなくなり次はロベスピエールの活躍が見られることとなるのでしょう。2014/09/17
眠る山猫屋
21
タレイランがますます良い味出してきます。ミラボーとのコンビは絶妙。ひねくれ具合がツボ。ロクデナシ具合が煌めいてます。それにしても、ミラボーの体が心配・・・。 デムーランの庶民ぽさが、身近過ぎです。頑張ってほしいなぁ。2014/07/10
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