内容説明
杉下右京と神戸尊が、失われた絵画に秘められた謎を追う「最後のアトリエ」、暴力団事務所で発見された射殺体をきっかけに、捜査一課と麻薬取締との対立が繰り広げられる「暴発」など、7篇を収録した大人気シリーズ第9弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
再び読書
40
「ボーダーライン」が一番身につまされる。貧困のスパイラルは日本でも起こっている。中産階級であると思いたい人々はこの現実から目を背ける。しかし、まさしく自ら絶望にろり命を絶つ人がいることも事実で、もし自分がこうなればと思うといたたまれない。また「暴発」では麻取という民間の人間が解りえない警察と違う操作方法、ルールに則った組織が存在している?知らんけどと関西人は答えたくなる。また少しそれるが公安という人が人で無い仕事を強いられる組織も依然登場した。本巻では尊の右京との向き合い方が印象的だった。2020/07/22
二分五厘
13
『顔のない男』右京さんの悲痛な想い「最善の策が常に正しいとは限りません」。『暴発』上層部、捜査一課、更には神戸君までが前に立ちはだかっても曲げられない右京さんの信念「真実の追究に、もうこの辺でいいなどということは絶対にありません」この辺りが神戸君卒業の伏線だったのかな。『ボーダーライン』都会の片隅で転落死した男。その足取りを辿るうちに浮かび上がる孤独と絶望感に心が寒くなる。そんな中、安定の陣川君『運命の女性』が心和む(´∀`)。『9時から10時まで』まさにきっかりリアルタイム1時間で解決ですね。2016/08/06
さくりや
8
「最後のアトリエ」が好き。切ないなあ。絵が絡んでいるからなんとなく「ギャラリーフェイク」っぽい?そして、表紙のお二人が少女漫画タッチでなんか笑える。2017/02/23
*
7
『ボーダーライン』はファンの間でも屈指の問題作と言われている。でも作品が評価されるばかりで、現実の問題の方はなかなか改善に向かわないのが切ない。▼一方で、『9時から10時まで』の軽妙な感じも好き。2017/10/06
塩きゃらめる
7
『暴発』、悲しい。右京さんの正義がまっすぐ、鋭く入ってくる。2016/06/10