内容説明
時は平安。左腕を蟲に蝕まれた紅蓮に、喉の自由を奪われた昌浩と、次々に起こる異常事態。播磨の郷で、勾陣が味方のはずの神祓衆を疑ったときにはすでに、彼らは黄泉の風に取り巻かれていた。四方を敵に囲まれる中、昌浩は夢殿に導かれる。運命に抗うため、神将の助けのない夢殿で昌浩はひとり黄泉の葬列と対決するが!? 葬列は、一体誰のもとに訪れたのか――昌浩が、彰子が、螢が選ぶそれぞれの未来。激震の〈籠目編〉完結!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
37
出逢いはまだ頑是なく、少年とさえ呼べぬ子供の頃。陽の光の中。顔を見て。名前を読んで。助けてと。何度も無邪気に願った。何度も頼って、甘えた。その全てを、彼は叶えてくれた。恋とさえ呼べぬ、幼い想い。それでも護ると、絶対に護ると言ってくれた。なのに逢魔が時に魅せられて失う事を傷つける事を恐れて、誰ぞ彼はと互いの姿を見失う。昏い夜。あの日御簾越しに重ねた同じ大きさの掌が、いつの間にか包まれる程に大きくなった。それさえ気付かぬ程すれ違う。夢の中ですら会えずに。それでも護ってくれた。あの日の言葉は、ずっと続いていた。2012/03/18
ダージリン
17
起死回生!う~良かったです。重かった分、カタルシスありました(笑)。次の新章まで作中時間がかなり経過する予定だそうなので楽しみですね~。今回は印象的なシーンが多かったですが、榎岦斎が自分のことを語るセリフが胸にしみました。2012/02/08
悠祈
9
籠目編完結‼…なんだけどなんかもの悲しい感じがする…!?(・_・;?/今回は螢、夕霧、時守の三人の間で何があったのか…という過去編(真相編)でした。時守が螢に対してどういう思いでいたのか。それを知った螢の思い…。幾人ものひとの想いが交錯した一冊でした。/最終的に全てのことが、丸く収まっちゃいました。公任さんの一言が結果的に昌浩を救ったんですね。/成親さんの呪詛返しもうまくいってよかったです(#^.^#)/最後に。昌浩、出世おめでとう\(^o^)/頑張って敏次を追い抜いてってね。2012/02/14
RAKUSI
8
籠目編完結。ちゃんと回収されて良かったです。3人一緒の返し。脩子と彰子。車之輔の活躍。「・・・晴明の孫」「孫言うな、・・」久しぶりに読んでほっとしました。やっぱり『少年陰陽師』は面白い。最後の彰子の決断が気になります。次は、尸櫻編へ2016/05/11
ゆん
8
あ~、ようやく終った。いつも昌浩が痛い目に逢うのに、今回は蛍。そう、いつだって強い思いは、道を誤らせる可能性があるって事だ。間違えないように、常に注意しながら進むしかないのかな?でも、間違ったらまたやり直す事だってきっと出来るよね。成親、かっこ良かった。さすが長兄だな。あとは彰子がどうなって行くのかだけが気になるなぁ。2012/06/02