内容説明
今なお、河童伝説が残る川で、左手首が切断された死体が、続いて、左腕が切り落とされた死体が浮かぶ。一方、相馬野馬追祭(そうまのまおいまつり)を見物に出かけていた棚旗奈々たち一行は、岩手県遠野まで足を伸ばしていた桑原崇と合流。そこでまた、血なまぐさい事件が……。事件の真相と、河童にまつわる真実が解き明かされる。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
127
シリーズ第13弾は将門経由河童行き♬前作でのストーカー話からの連続殺人を結構アッサリ読んでいたら、最後には壮絶で胸糞悪い結末を迎えてビックリ!なるほど、それも巨悪〈朝廷〉が虐げた素直〈河童〉と重ねたということなのか...中盤で突如ようやく語られ出す河童の謎解きが実に面白い!緑色でヌメった造形でキュウリを好み、川に落ちたヒトを襲い、厠で女の尻を触るなど悪戯や助平三昧ながら頭の上の皿の水が乾くと死んでしまう...何とも可笑しな伝承がまたタタラに繋がり、道真や将門の祟りへと至り、誰もが知る神へと導くのはお見事!2022/12/06
gonta19
125
2010/3/14 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2019/1/23〜1/29 1年半ぶりの高田作品。インフルエンザで療養中に読み始める。今回は河童がテーマ。いつもながらに面白い考察。ちょうどこの間、井沢元彦さんの動乱の日本史で将門の話を読んだところだったので、タイムリーであった。今回の事件は、いつも以上にサイドストーリー化していたかも。まあ、タタルの薀蓄がメインなので無問題。2019/01/29
ポチ
51
河童もやはり虐げられていた人達だった。そして、天照大神も素戔嗚尊も河童だった⁈ん!よく分からないぞ!案山子も唱歌に歌われ、子供達のからかいの対象になっているとは悲惨過ぎる。今回は、虐げられて来た人達の悲しさが伝わる話でした。2016/12/11
ばりぼー
48
QEDシリーズの第13作目。今回は河童の正体を明らかにしていますが、今までのシリーズを読んできた者なら、読まなくてもおおよその見当がついてしまうのが難点です。しかし、河童の特徴である三本指、背中の甲羅や頭の皿、好物がキュウリ、人の尻子玉を抜くといった謎が次々に解明されていくのは実に爽快。河童伝説に天照大神、素戔嗚尊、平将門、菅原道真、案山子などの話が全てリンクしているという薀蓄には(毎度のことながら)圧倒されます。フレドリック・ブラウンの「四人の盲人」が、効果的に引用されていて説得力がありました。ナイス!2014/07/21
ヒロユキ
41
河童にたいする疑問点の考察がひとつひとつ分かりやすかったです。それにしても日本の歴史上に点在する河童の多さにはビックリ、もはや河童大国ですね。このシリーズでは久々に現代の事件も読みごたえがありました。特別ミステリとした凄いわけではないけれど、あの幕引きの壮絶さは衝撃的。あと電車の中で読んでたので非常に焦る瞬間がありました、タタルサンもう少しオブラートに包んでください(笑)2012/08/29
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