内容説明
高知の山深く、平家の落人伝説が残る蝶ヶ谷村。土砂崩れで密室と化した村の一夜に起こる殺人と自殺。大学の後輩全家美鳥を訪ねてきた桑原崇と奈々たちも事件に巻き込まれるが、その最中、維新の英雄・坂本龍馬暗殺の黒幕を明かす手紙の存在を知る。因習に満ちた山村と幕末の京都を結ぶ謎に挑む崇の推理は!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
296
今回は幕末の謎+地方の村でのクローズドサークル。前作よりは村の因習などが多少効果的に配されるも、誤差の範囲内程度の変化。龍馬暗殺に関する検証は、いつもより本格ミステリっぽく仕上がっているかわり、提示される解にイマイチ目新しさが感じられず、いつもの民俗学的な考察ともジャンルが異なるので、ファンの好みが分かれそう。現実の事件の方は、シリーズの中でも割りとしっかり展開があったと思う。しかしその分、無理に坂本龍馬と絡める必要がなく、別の単体作品で良かったというか、そっちの方が面白くてなったのではないだろうか。2021/11/06
nobby
128
シリーズ第7弾は幕末それも坂本龍馬。『そうさな……。世界の海援隊でもやるか』少なからず知るエピソードを興味深く読みながら、あらためて時代を先取り敵味方など狭き対象にあらず世界に目を向ける魁に抱くのは憧憬。その壮絶な暗殺をめぐる黒幕の二転三転の考察に魅了されながら導かれた仮説にも納得。武士の威厳あるいは屈辱を憂い、そしてまた傑物の武闘派ぶりに畏れ入る…相変わらず彼らの巻き込まれる事件は全くの別物、いや今回は急転直下で人が死に過ぎ…「そんなことは、もういいきに」屈指の漢は天国で目を細めて笑っているんだろうな♬2021/10/12
急いで突厥
57
QEDシリーズ第7弾。今回は坂本竜馬暗殺の謎と絡めた高知の奥地での殺人事件の解明に挑んでます。舞台が四国なだけに平家の落人伝説も絡めて現代の事件は進んで行きます。最後の最後に語られる犯人の告白中の祭りの真相があまりに俗物的で拍子抜けでした。竜馬暗殺の黒幕にはなるほどと思いました。2013/07/01
ポチ
50
竜馬暗殺についての薀蓄が盛り沢山!色々な書籍にて知った事のおさらいが出来た事や、新たな推論を大変面白く読めたが、事件は無理矢理感があり過ぎ。2016/10/18
荒草ミエル
37
なんの偶然か11月15日に読み終える。龍馬の命日兼誕生日との事、これも出会いの1つか。幕末にはあまり興味がなく、四国の土着信仰が前面に出てくるかと期待したけど無理よね。だってタイトルが龍馬だもん。いざなぎ流もほとんど名前にしか出てこないので、勝手に物足りない気分。こんな虚無感には、次作を読むのが一番効きそう。2021/11/15