内容説明
坂を滑り落ちる巨大な御柱に、男たちが荒々しく群がる「御柱祭」。75頭もの鹿の生首が捧げられた「御頭祭(おんとうさい)」。長野県・諏訪大社に伝わる、これらの奇祭を調べるため、同地を訪れた桑原崇と棚旗奈々は、不可思議な連続殺人事件に遭遇。御柱―御贄柱―怨念柱。千二百年続く謎が解けたとき、事件の真相も明らかに! (講談社文庫)
感想・レビュー
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gonta19
127
2011/8/15 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2021/8/16〜8/20 QEDシリーズ。今回は諏訪の謎に挑む。 諏訪大社の祭神が建御名方神で、出雲の国譲りの際に諏訪に逃れてきたことや、御柱祭が行われること、冬の御神渡りくらいは知っていたが、あまり馴染みのない諏訪大社の謎に挑むタタルと奈々。訪れた諏訪の地で奇妙な連続殺人が発生。両方の謎を諏訪の謎に絡めて解き明かす。なかなか良くできたストーリー。2021/08/20
ポチ
47
何故、諏訪大社は上社と下社に別れているのか?何故、神そのものの御柱を直接地面につけ引き摺るのか?何故、御頭祭では鹿の頭が捧げられるのか?読めば読むほど何でだろうが増えたけど…。タタルの薀蓄(謎解き)には驚かされました。それを踏まえて訪れてみたいです。2016/12/24
佳乃
31
諏訪の謎。凄く奥が深すぎて読んでいても1回では理解し難い。また、やはりここでも事件。けれど、タタルたちの旅行に現地でタタルの同級生と知人(麻紀と由美子)との同行。現地人と第三者としての目だと捉え方が違うから見えてくるものが違うから面白い。ただ、タタルの話に鼻であしらうかのように笑い、あぁまでも剥きになる麻紀を見てなんか怪しい・・・と思っていたら「そうきたか」ってな感じでした。『怨念』とは恐ろしい。さてさて、タタルと奈々は今後どうなるのかな。2017/09/20
ミエル
28
諏訪の歴史、面白い。独自の宗教観を持った土地であることは京極夏彦の狂骨の夢で知ってはいたので、今回は若干理解が早かったかもしれない。でもでも、相変わらず事件関連が陳腐な印象。歴史蘊蓄だけで、十分読み応えがあるのに、安っぽい2時間サスペンスが絡むとバランス悪い気がする。いるのかな?事件パート。2023/01/10
とも
27
★★★☆諏訪御柱祭の謎解きという歴史ミステリーと、並行して現代で発生する殺人事件というミステリー二段構えの構成はいつもと同じ。そうして、歴史テーマがドメスティックでマイナーな時には、現代ミステリー色が濃くなるのもひとるのパターン。そういった意味、御柱については、山の急斜面を巨木に人が乗って落ちてくるくらいしかイメージがない一地方の祭りであるため、歴史的ミステリー的に多くは期待をしていなかったのが、それなりには面白く読める作品であった。それよりかは、あとは出雲と伊勢を残すのみ。ただただ、愉しみである。2018/04/08