内容説明
『三国志』決定版、第3巻。曹操、挙兵す――。霊帝が崩御すると、宮中で宦官の大殺戮が起きた。この混乱に乗じて力を得た董卓(とうたく)は独裁者となり、皇帝を長安へ移し、洛陽の都を焼き払う。各地の叛乱は中央を離れた独自の勢力となりつつあったが、強大な董卓軍に最初に戦いを挑んだ曹操は惨敗し、次に戦った孫堅が大勝した。劉備は北方の公孫サン(こうそんさん)の元で、黄巾軍に初めて快勝する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スター
60
霊帝の命令で黄巾賊の討伐軍の将軍になった董卓だが、討伐しても、皇帝が宦官を重用する限り、似たような革命集団が現れるだけという気持ちから、やる気がなかった。 その霊帝が崩御すると宮中で宦官の殺戮が起き、混乱に乗じて董卓が独裁者となり、首都を長安に移し、洛陽を焼き払う。 董卓は少帝を皇帝の座から引きずりおろし、別の皇帝を立て、少帝と、何太后を毒殺。董卓の狼藉をやめさせるため三国志ではおなじみの曹操や孫堅が、兵を率いて戦いを挑む。 この巻も面白かった。巻置くあたわざる物語という感じ。2019/08/29
k5
55
董卓を軸に曹操、孫堅、劉備など見慣れたキャラクターが登場してきましたが、王朝の運命を描いていた二巻までに比べて、主題がちょっとぶれているような気がしてしまいました。その辺キャラ立ちに振り切った『演義』ではなく、正史を基準にしていることが根本にあるのかも知れません。読者としてはやっぱり呂布とか出てくると期待しちゃうんですが、この作品では地味だしね。2024/10/27
Die-Go
51
図書館本。黄布の乱が平定され、いよいよよく見知った三国時代へと時は進んでいく。曹操、孫堅の活躍を尻目に劉備は未だ雌伏の時を過ごす。董卓の暴政により、皇帝はすり替えられ、忠臣は弑されていく。★★★★☆2022/03/29
Book & Travel
46
三巻は黄巾の乱から董卓の暴政、反董卓連合軍まで。正史ということで馴染んだ話と違う所も多いが、ようやく三国志の時代に入った感がある。膨大な数の人物が紹介され、各々が故事を語り出すと挫けそうにもなるが、知った人物が活躍し出すとやはり惹き込まれる。董卓に対し兵を挙げた袁紹ら諸侯は、大義も決断力もなく、ただ時を費やし勢力争いまで始める始末。混沌とした情勢の中、小勢力ながらただ二人董卓に挑戦した曹操、孫堅の颯爽とした姿が印象に残る。乱世にあって、英雄になる者、力はあるのに英雄になれない者の差の描き方が興味深かった。2022/03/15
Haru
36
今のところ、宮城谷三國志は曹操推しですね。出会う人皆が曹操に惚れ込むと描かれています。袁紹、袁術はダメダメ。劉備はほとんど出てきません。趙雲と出会うも、劉備の左右に関羽と張飛が寄り添う様を「旨い酒を売っているのに猛犬がいるため客の寄り付かぬ店のようなもの」として、関羽や張飛に勝るものは劉備に寄り付かないだろう、ゆえに趙雲も去ったとしています。北方三国志とはずいぶん違う書き方で面白い。ただ(当たり前だけど)話が色んな人に飛ぶので、整理するために漫画の横山三国志に寄り道してもいいかなー、と思い始めてます。2019/09/22
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