内容説明
正史に基いたかつてない三国志、ここに完結
後漢、曹操の祖父の時代に原点を求めた新しい三国志はついに蜀の滅亡へ。迫る魏軍に劉禅は降伏を決意し、三国時代はこの日畢った――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
43
図書館本。150年以上にわたる歴史絵巻が完結!蜀の滅亡から魏に代わって晋の興隆、そして呉の滅亡へと歴史は流れていく。血沸き肉踊る展開ではなく、人の興す歴史を淡々と描ききっている。★★★★☆2022/05/18
Book & Travel
41
最終巻。蜀と呉が衰退する中、魏が蜀に侵攻。劉禅の呆気ない降伏で蜀は滅亡する。姜維と鍾会、鄧艾が絡む最後の顛末は意外だった。印象に残るのは兄を継いだ司馬昭の安定感と寛容さ。こういう人物が時に歴史を作るのだなと納得感があった。楊震から始まった170年の物語を読み終わり、様々な人物の姿が頭の中を駆け巡っている。よく知る三国志演義とは違う人物像や展開に戸惑いもあったが、輝いては消えていく膨大な数の人々の物語は読み応えがあり大いに楽しんで読めた。人の世の儚さが胸に残るが、それが冒頭と最後の「四知」に繋がるのだろう。2022/09/13
ジュール リブレ
41
日本ではまだ邪馬台国の卑弥呼の頃なのに、中国では文字に書かれた史書が残る。三国の時代は、次代の晋によって残され、そして、三国鼎立が、蜀が魏に併合され、魏が晋に禅譲した時点で終わりを告げる。それぞれ建国の思いは強かったものの、2代目、3代目と、饗奢に溺れ、内紛を招く。初代の英雄たちが眺めたらどう思うのだろうか。それから2千年経った今でも、歴史は繰り返される。私たちの生きてきた時代は、後代の人たちには、どのように残されるのだろうか。2019/09/27
みや
33
我欲で動く者が多く、裏切りと謀殺が相次ぐ呉に比べて、司馬一族は民への慈しみが根底にあり、叛逆者の印象が薄い。後味の良い結末だった。男たちが命を懸けて戦い抜いた末にできた国や手に入れた権力は、時の流れと共に容易く消えていく。そんなもののために命を懸けるのは馬鹿らしいと思う一方で、何であれば命を懸けるに値するのかと考えたが、答えはまだ見出せない。数多居る人物の数多な人生が描かれ、出会えた奇跡や出会えなかった運命、成就した幸せや半ばで潰えた夢を見ることで、千年経っても変わらない「人間」の面白さを改めて満喫した。2019/05/28
著者の生き様を学ぶ庵さん
29
白気が天空を横切る蚩尤旗(しゆうき)は兵乱の前兆をなす星にして、最終巻の三國の象徴なり。魏は人材の宝庫にして、司馬師・昭兄弟、陳羣が庶子陳泰、鐘会を諫めし傅嘏、盧植老師が盧毓など、限りなし。呉は皇帝孫亮を廃したる大将軍孫綝の悪政延々たり。伍子胥廟を焼き払いし愚将は次帝孫休に弑さるが、孫休亡き後、悪帝孫晧の即位にこそ呉国は滅すれ。蜀は無力の皇帝劉禅に徳は鮮く、魏に降伏する而已。姜維・張翼に上策なし。魏の鐘会を巻き込み、蜀の再興を図りたるも、胡淵軍に誅さるる。魏は皇帝・将軍に自彊術あり。呉・蜀は自滅す。嗚呼!2015/10/12
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