ちくま文庫<br> 明治波濤歌(下) ――山田風太郎明治小説全集(10)

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ちくま文庫
明治波濤歌(下) ――山田風太郎明治小説全集(10)

  • 著者名:山田風太郎【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 筑摩書房(2013/10発売)
  • 夏休みスタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~7/21)
  • ポイント 275pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480033505

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内容説明

それぞれ視察・研究などの目的でパリを訪れていた川路利良、井上毅、成島柳北。一行はゴーギャン、ヴェルレーヌが関係する日本女性の殺人事件に巻き込まれてしまうが……。円熟の筆致で描かれる華麗な人物絵巻。時代の変革期を舞台に、歴史を彩った人々が織りなす破天荒な物語の後篇。本巻には三篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

97
下巻でも3つの話が収められています。日本人は明治時代の実在の有名な人物を配していますが、話は荒唐無稽な感じで楽しめました。「巴里に雪のふるごとく」では大警視の川路利良、井上毅、成島柳北がパリに行きそこで殺人事件に遭遇します。そこでは、ゴーギャンやヴェルレーヌ、さらにはルコック警部まで登場します。「築地西洋軒」では、森鴎外を追って日本まで来たエリスが中心の話です。「横浜オッペケペ」は題名の通りの川上音二郎が主人公ですが、野口英世や永井荷風も出てきます。物語を作るのが上手です。2025/03/23

Sam

45
上巻同様何度も「それってホント?」と思わされる、虚実交えた着想の妙が光る中編3遍。「巴里に雪のふるごとく」では川路利良、井上毅、成島柳北に加えてゴーギャンやヴェルレーヌまで登場する。「築地西洋軒」では鴎外を追いかけて来日したエリスがメイン。この2作はしっかりミステリ要素も盛り込まれている。最後は「横浜オッペケペ」。川上音二郎と貞奴、野口英世に永井荷風と豪華。渡辺京二「幻影の明治」で「この一編ほど作者の類稀な構成力・話を仕組む才能が発揮された例はない」と激賞されている一編。明治ものも残り少なくなってきたな…2023/04/30

Yuji

12
やはり中編3つ。「巴里に雪の降る如く」が圧巻。川路大警視の示現流居合斬りが炸裂します!森鴎外を追いかけてきたエリス女史の名推理「築地西洋軒」も実に楽しい。2017/01/19

getsuki

11
上巻に続いて読了。「巴里に雪のふるごとく」ゴーギャンやヴェルレーヌも登場しての推理劇。川路がいいところ取りでカッコいい。「築地西洋軒」エリス嬢の聡明さが光る一方で男どもは……と(笑)ラストは皮肉に満ちている。「横浜オッペケペ」川上音二郎と野口英世は根っこが同じすぎて笑える。このくらいアクが強いからこそのあの偉業?なんだろうな。面白かった!2017/04/12

きょちょ

11
題名の「波濤歌」のような悲哀は、上巻に比べればこの巻では薄れる。3作あるが、「巴里に雪のふるごとく」「築地西洋軒」はやや推理物。でも「築地西洋軒」の、鴎外の恋人エリスの個性はなかなか。一番は、「横浜オッペケペ」。河上音二郎、野口英世、似た個性二人が登場。野口英世は小学生の時伝記を読んで、「とっても偉い人」としか思ってなかったが(笑)。ここまで自我が強いとは・・。稀代の詐欺師になってもおかしくないだろう。でも二人とも天才的素質がある。同作品に登場する永井荷風となると、別の一途さが可愛らしく感じる。★★★★2015/06/16

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