内容説明
警視庁vs元江戸南町奉行所の面々。明暗を分ける時代の流れ。広沢真臣、黒田清隆、井上馨、森鴎外、高橋お伝、皇女和宮、清水次郎長などなど多彩な人物を巻き込む怪事件をめぐり知恵くらべは続く。華やかな明治の舞台うらに流れる去りゆくものたちの悲哀。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
112
警視庁草紙の下巻です。川路と元江戸南町奉行者の人々の対決が相変わらず続きます。ただ実在の人物がかなり出てきて歴史好きの人にはかなり楽しめるのではないかと感じます。ニセ札事件は再度読もうと思っている北森鴻さんの「蜻蛉始末」と関連があるようです。また川路大警視と井上薫との確執などもあり、最後では「抜刀隊」の話が出てきて元幕臣も新政府の人物たちも関係なく戦場に出ていきます。最後まで楽しめました。2023/11/01
NAO
67
作者は奉行寄りだが、私には元町奉行の大人げのなさばかりが目についた。新しい世にかかわりたいのならば、もっと肯定的なかかわり方はできないのだろうか。もちろん、それは簡単なことではない。だからこそ、多くの共感を呼ぶのだ。でも、それも、やはり限度がある。最後に、腹心の手下千羽平四郎は、どんなに警官たちをからかって、その裏をかいてみたところで、それはただの悪あがきにしか過ぎないと悟り、警視庁の抜刀隊に入隊してしまう。これほど皮肉なことはないだろう。 2020/04/15
けやき
48
【再読】再読であるため結末は知ってましたがやはり悲しいですね。豪華な歴史上の人物たちの虚実入り混じる世界を楽しむという山風明治ものを堪能できました!2024/06/01
紅はこべ
25
新政府のためなら、大恩人西郷も陥れても構わないとする川路大警視の冷徹さの前には、温情派のご隠居は敗れ去るしかなかったのか。2009/05/02
Yuji
24
お調子者の同心がラストで、敵の策略にはまりながら、西南戦争の警察抜刀隊の一員として行軍してゆく皮肉。日本が世界大戦に自ら巻き込まれ、参加してゆく暗澹たる歴史への予感、余韻。そこまでするのかという川路警視の密偵を使った謀略の暗さ。明治政府以降の流れは勿論、現在につづいており、まったく嫌になる。とはいえ物語は本当に面白い!2016/11/05
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