ちくま文庫<br> 地の果ての獄(下) ――山田風太郎明治小説全集(6)

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ちくま文庫
地の果ての獄(下) ――山田風太郎明治小説全集(6)

  • 著者名:山田風太郎【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 筑摩書房(2015/08発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480033468

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内容説明

樺戸、空知の監獄を舞台に有馬四郎助をはじめ石川県令・岩村高俊、幸田露伴、山本五十六の兄・高野襄、監獄教誨師原胤昭、酔っぱらい医者・独休庵、そして加波山事件、秩父困民党の関係者たちが繰り広げる奇想天外な物語。ほか『斬奸状は馬車に乗って』『東京南町奉行』『首の座』『切腹禁止令』『おれは不知火』を併収。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

106
下巻では、「地の果ての獄」の続きがあり、ある女性を石川に連れ戻そうとする石川県令の岩村が主人公たちに翻弄されてしまいます。ここでの話は終わるのですが、主人公の有馬という人物がかなりな人情家であって「愛の典獄」といわれたそうでその後の話も読みたい気がしました。そのほかの短編5作も収められていますが、江戸時代に妖怪といわれた鳥居耀蔵のその後が書かれている「東京南町奉行」が印象に残りました。2024/03/01

ヨーイチ

24
再読。アクション活劇って要素がある。キリスト教って山田風太郎はよく取り上げているが、本人の狙い通り信仰に目覚める事はまず無い(笑)。これ真面目に読むと瀆神ではないかと。明治政府が囚人を使役して開拓を推進したって事を改めて思い知らされる。兵隊も使ったけど。アメリカの開拓時代とほぼ同じ頃で西部劇の手法が採用されている。確かに条件が似ている。「道」がない世界って想像がつかない。氷雪の世界なので犬轌が大活躍。そのくせ石炭積み出しの為、小樽発の鉄道が開通している。コメが取れないってのは困ったことだろう。続く2015/12/11

きょちょ

11
表題作の後編と、それ以外の5作の短編からなる。表題作後編では、空知監獄が樺戸監獄と違った意味での悲惨さが描かれていて驚かされる。結末は、牢屋小僧の妖術的部分は若干不満があるものの、感動する。5作の短編では、「おれは不知火」が抜きんでている。佐久間象山ならびに暗殺者の河上彦斎は実に個性的で、それぞれの人生をしっかり追ってみたいと思わせる。「切腹禁止令」は風太郎の作品の中でも異色と思える。もちろん面白い作品。★★★★★2015/05/21

みかん

10
表題作も大変読み応えがあって、はらはらわくわく、人間の哀歓を感じたが、短編4編もそれぞれ良かった。特に「斬奸状は馬車に乗って」が印象に残った。志を成し遂げられなかった主人公、そして通り過ぎる馬車上には……。考えさせられるラストだった。「首の座」の二重構成は物語の厚みと立体性を加えていたように思う。「切腹禁止令」の皮肉な結末。どれもがハッピーエンドではないだけに、よし一層味わい深いものとなっている。2015/05/25

河内 タッキー

10
囚人たちのそれぞれのエピソードが面白い。それぞれが意外な結末と感動を誘う。まるでポール・オースターの作品のようだ。それをオースターより先に、しかも日本で書かれているのも感慨深い。2015/05/24

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