内容説明
明治19年、薩摩出身の有馬四郎助は、北海道月形の樺戸集治監の看守に着任した。そこで青年看守の目にしたものとは? 次々とおこる奇怪な事件の裏に明かされる意外な事実……。「愛の典獄」と呼ばれた有馬四郎助の若き日の姿を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
元巡査で鹿児島出身の主人公が、北海道月形の樺戸集治監へ行くところから始まります。途中で教誨師や監獄へ送られる囚人たちと一緒になりその後に関係ができます。若いころの幸田露伴や現地の医者でアイヌのような人物(益満久之助)や新島譲なども出てきます。教誨師に言われた言葉から囚人たちの話を聞いてそれがひとつづつの物語となっています。いかにひどい生活を送ってきたかなどが語られます。結構読ませてくれます。2024/02/27
きょちょ
8
この作品も山田風太郎らしさが出ており、とても面白い。明治時代の「獄舎」は、不潔さも含めてどうやら大変なところのようだ。看守も囚人もそのほかの登場人物も実に個性的である。特に、五寸釘の寅吉の話は、それだけで長編小説が書ける充実した内容である。★★★★★2015/05/11
ひこまる
8
時は明治19年、北海道樺戸集治監を舞台とした看守と囚人たちの奇怪な物語。石狩地方の激寒描写、看守側の鬼畜ぶり、そして一癖も二癖もある囚人たち・・・夏の滅茶苦茶暑い時間帯に読むと身も心もすっかり冷えた感じになって、まさにこの季節に最適の一冊w 「明治十手架」ではヤンチャだった原胤昭が教誨師として成長しているのが感慨深い。2013/08/04
河内 タッキー
7
明治十手架と同じような設定だが、時代が少し異なる。書かれたのはこちらの方が先だが、時代設定はこちらの方が後になる。原胤昭はどちらにも登場するが、明治十手架のクライマックスの一つが、ここでは会話の一部でさらっと語られる。しかし書かれたのはこちらが先なので何だかややこしい。原胤昭のキャラクターもこの二作で全然違うので面白い。2015/05/20
ひねもすのたり
6
80年代前半『魔界転生』の映画化でブームになり、一時期は横溝正史、森村誠一と並んで角川文庫の棚で幅を利かせていた山田風太郎。 しかしブームが去ったあとは増刷もなく、01年に亡くなった後は書店で見かける機会も少なくなりました。 ところが角川が3年前に山田風太郎賞を創設。 少しづつではありますが新しい読者を獲得し、再評価の機運が高まっているようです。 本書はそんな山田風太郎の明治小説全集第五巻。 明治中期、北海道にあった樺戸集治監を舞台にした物語。 以下感想は下巻で・・2013/12/05
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