内容説明
「父!」と助けを呼ぶお雛の前に突如現れた西南の役で死んだ父の幽霊。その父が呼ぶと祖母の幽霊も出現。嘉納治五郎、山川捨松、三島通庸、自由党の壮士らに幽霊も加え多彩な人々が時代の波にのみ込まれていく。虚実織りまぜて描かれる明治を生きた人々の哀歓。他に短篇『天衣無縫』『明治忠臣蔵』『絞首刑一番』を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
103
後半は、やはり山田風太郎という感じがさらに色濃くなっていきます。いったんは捕らわれの身となった狂言回しの元会津藩士の干潟がその後、出獄します。また干潟の妻の敵がほかの人物の手によって打たれます。まあ様々な人物が亡霊になったりしますが、玄武と青龍という老馬をひきいて辻馬車が走り続けます。2024/02/04
けやき
28
【再読】自由党過激派の顛末は?山田風太郎らしい結末でありました。他に、「明治忠臣蔵」「天衣無縫」「絞首刑一番」を収録。2025/04/09
しんすけ
17
物語は、会津の怨念と会津への怨念に展開する。 幕末会津は京都見廻組の役を引き受けた。そのため薩長から敵視されていた。会津藩士にしてみれば幕府の指示に従ったに過ぎないという気持ちだけだった者も少なからず居たには違いない。 しかし薩長の会津を憎むこと、あまりにも大きくそれが会津戦争に発展した。 白虎隊の悲劇は、薩長の憎悪が醸成した会津侵略が招いた悲劇とも云える。2021/01/05
ken_sakura
17
面白い。さすが山田風太郎ヽ(´▽`)/では、あるけれど、物語は暗く、逆らう者を大っぴらに殺せる権力に敗れて人が死んでいく。権力に抗する自由民権運動も同類の域を出ない。個人において善良であったとしても、日本人が集団になった時に見せる哀しい低止まりの一面を描いた物語と読んだ。加波山事件には錦織先生も干潟干兵衛も名前がないので、干兵衛の幸福なその後を信じたいm(_ _)m後に短編三つ「明治忠臣蔵」「天衣無縫」「絞首刑第一番」。これも暗いお話。2017/02/11
きょちょ
14
後半は会津藩の悲哀だけでなく、戦争そのものの悲劇を背景に描き出す。そして「密偵」が明らかになり物語は一気に盛り上がり加速していく。終わり方も実に良い。感無量。 ★★★★★2015/04/20
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