内容説明
神尾主膳の奸計が功を奏し、甲府勤番支配の駒井能登守は失脚。主膳もまた乱行の末に、甲府退去を余儀なくされる。折しも甲州八幡村に隠れ住んでいた机竜之介を笛吹川の洪水が襲った。辛くも助けられた竜之介はお銀様ともども甲州から姿を消した。江戸へ戻った主膳が籠った先は人々から化物屋敷と怖れられるが、そこに竜之介とお銀様が現われる。物語の舞台は再び江戸へ……。「慢心和尚の巻」「道庵と鰡八の巻」「黒業白業の巻」「安房の国の巻(一~七)」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
21
再び人を斬り始める竜之助。文章も生き生きとして鋭い。かっこいい。と思いつつ、そういえばこれがメインの話だったよなと不思議な気持ちになる。5巻にしてようやく、奇書とも言えるこの本の読み方が分かってきた。おびただしい数の登場人物がすれ違ったりすれ違わなかったりする、そのカオスさを楽しむものなのだろう。今は、①竜之助が人を斬る理由 ②被差別民や貧民に対する介山の思想 ③キャラクター描写の妙 の3つに注目して読んでいる。 そして、いよいよ現れた弁信。竜之助と対になりそうな人物だがどう物語に絡んでくるのだろう。2020/09/28
ソングライン
10
神尾主膳の策略で失脚した駒井能登守は妻と離縁し西洋への密航を企てます。能登守の子を宿したお君は秘密裏に江戸へ、宇津木兵馬を探すお松は甲州から江戸へそしてお君に再会、面倒を見始めます。甲州八幡村で辻斬りを行った机竜之介はお銀とともに再び江戸へ。舞台は江戸へ移りますが、最終章にて西洋に渡ったと思われた能登守(駒井甚三郎)が安房に現れます。もう止められない大菩薩峠、次巻へ。2023/08/19
よしひろ
5
火事と喧嘩は江戸の華なのか。江戸の大衆の力の大きさと迫り来る列強のにおいを感じた。2015/12/06
ジュール
3
入院から帰り、まとめて登録。だんだん、ペースが遅くなってきた。 竜之介よりもわき役がメインに。2019/08/16
Terry Knoll
2
ストーリーが進むというより、脇役達が勝手に動きまわっています。2016/07/28