ちくま文庫<br> 大菩薩峠(18)

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ちくま文庫
大菩薩峠(18)

  • 著者名:中里介山【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2013/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480032386

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内容説明

夜ごとに徘徊する竜之助の探索に出た米友が役人に捕まった。近在には一揆の気配が高まっており、その一味と見られた結果だった。お銀様は竜之助を長浜に隠れ住まわせ、お雪に世話を託した。ある夜、二人は湖に船を漕ぎ出すが、漂う船で激情にかられたお雪は竜之助に、死にたいと口走る。お雪にのびる竜之助の腕……。そのころ胆吹山麓ではお銀様が怒りにもだえていた。群がり来る人々は皆、理想どころか、甘い汁を吸おうとするばかりで、夢の王国がぐらつき始めていたのだ……。「恐山の巻」「農奴の巻」を収録。

目次

恐山の巻(承前)
農奴の巻

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こうすけ

20
急に農民についての記述が頻出する18巻。兵馬と福松、そして霊魂たちの道行きが魅力的。大和魂をめぐる考察、帝国芸術院への揶揄など、執筆時の日中戦争下を反映した内容が目立つ。「南方熊楠から大菩薩峠の感想のお手紙をもらいました」という突拍子もない展開も。「人生、鐚となって生きるか?神尾となって死ぬるか?それだけの問題だよ」と、ハムレットのような台詞が出てきて驚き。介山はシェイクスピア読んでたのだろうか。お雪ちゃんと竜之助の舟上でのやり取りは素晴らしい。しかしお雪ちゃん大丈夫か…。いよいよラストスパート。2022/02/14

きょちょ

18
「恐山の巻」「農奴の巻」。お雪、龍之助に惚れていたのは良いけれど、あなたも「思い込んだら命がけ」のタイプだったか・・・。ちょっと幻滅・・・。龍之助に惚れた女性の中での一番は、甲府のお徳。旦那に先立たれ女手一つで一人子を育てる、そういった環境からではなくおそらく生まれ持った性格だろう。控えめで奥ゆかしく、献身的で、龍之助が去ると黙って涙する・・・良いなあ。 理想の王国を造ろうとしているお銀様が憤る。なんで憤るか、「生きている人間は皆度し難い」と思ってしまうから。この事業はこれからどうなるのか。 ★★★★2016/08/22

ソングライン

7
胆吹山麓に王国を造ろうとするお銀様のもとに集まる米友、竜之助、お雪、弁信そして道庵。一揆の一味として捕らえられる米友は助けられ弁信のこもる琵琶湖の孤島に匿われます。竜之助とともに琵琶湖に小舟で漕ぎだしたお雪は殺してくれと竜之助に迫ります。一方、仙台藩の家宝を盗み、みちのくを逃げる七兵衛は追手と対決します。いよいよ残り2巻です。2024/02/17

ジュール

5
場所的にはさほど動きがない。お銀様、お角、米友、道庵あたりは琵琶湖のそばで。神尾主善は農民を切り殺し、逃げる。駒井達は相変わらず奥羽地方に。七兵衛が仏の兵助と再対決する場面は見もの。 でもだいぶ終盤のはずだが、どう収束するのか?2020/03/04

Auristela

0
言論の自由、言論の自由と、人は母の乳でも欲しがるように叫びますけれど、言論が自由になればなるほど、人間の自由は奪われる、実に、皮肉な、悲哀な、人間世界の一面です。2015/03/08

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