内容説明
第一巻につづき「竜神の巻」「間の山の巻」「東海道の巻」「白根山の巻」を収録する。天誅組に加わった机竜之助は挙兵空しく敗走する途次、猟師の仕かけた火薬で失明する憂き目に。その身を紀州竜神の社にかくまわれるが、安息の日はつづかない。再び三たび魔剣をふるって、伊勢路へ走った。ついで虚無僧姿に身をやつし、江戸を目ざす。しかし、あやなす運命の糸はねじれ、からみあい、白根山麓へといざなわれる……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
17
ステイホームでハマった大菩薩峠の2巻目。のっけから竜之助にふりかかる災難。お玉や米友、がんりき、お徳といった登場人物が増えるが、それぞれのキャラクターが魅力的に描かれる。文章はやはり美しく読みやすい。「水を割るようにスーッと打ち下ろした竜之助の刀。・・・の右の手を、二の腕の半ばからスポリ、血が道標へ颯と紅葉。」の文にうなり、しびれる。竜之助が人を斬ることに理由や心情は一切語られない。今カミュが読み直され人気だが、『異邦人』よりも先に不条理について深く描いているのでは。次巻も楽しみ。2020/05/21
ソングライン
9
京都で天誅組に加わった机竜之助は十津川で負傷し、視力を失ってしまいます。逃亡する竜之助を助けるお豊、仇として彼らの後を追う宇津木兵馬。江戸に向かう竜之助は途中、甲斐の国奈良田で山の娘の首領お徳に助けられ、そこで悪事を働く旗本神尾主膳を始末します。さてこの後竜之助はどこに向かうのか、3巻へ。2023/06/30
ジュール
6
まだまだ2冊目。 登場人物が少し増えたけどついていける。2019/08/09
よしひろ
6
こうして見ると東海道はひとかたならぬ人物が通っていたと分かる。街道が発達するのも理解できる。2015/12/06
Terry Knoll
4
爆発に巻き込まれて失明した机竜之介。月見を楽しんだり、子供に戦話をせがまれると、母親から歌を聴けとさとします。 簡単に人を切り捨てる竜之介にもすこしは暖かい心があるようです。2015/04/03