内容説明
不意の女中不足に見舞われた「かわせみ」。周旋業者から紹介されてやってきた女中のおつまは25歳、無口だが気がきき、勤めぶりにかげひなたがなかった。10年も故郷へ帰っていないと聞き、るいはおつまに盆休みをとらせたが、浅草界隈で男と一緒のところを目撃してしまう。流されるように生きていく女の哀感を江戸の風物詩とともに描いた表題作のほか、お吉の秘蔵っ子・お石の母が登場する「野老沢(ところざわ)の肝っ玉おっ母あ」など全8篇収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるる
11
お石ちゃんがしっかり成長してていいなーと思っていたら、おつ母さんさすが!このおっ母さんみたいな人になりたいなあ。子供達が着々と成長しててわくわく。源太郎くんは源さんに似てるけど、麻太郎くんは東吾よりはやんちゃが鳴りをひそめてるような?花世ちゃんは相変わらず面白い。「梨の花の咲く頃」珍しく男色、しかも時代物では大抵酷い扱いな気がするのに(偏見かな?)割と純愛?ぽくて意外。2018/04/23
椿
10
再読。御宿かわせみシリーズ第31作。お石のお姉ちゃんには驚いたよ。姉妹でも全然違う性格なんだね。「亥の子まつり」が切なかったなぁ。2015/08/05
rokoroko
10
お石のお母さんの人間性に脱帽。こどもたちが生き生きと描かれている一巻2015/08/05
gosuken
8
「猫絵師勝太郎」は事件ものではないけれど、好き。2015/05/22
えぐ@灯れ松明の火
8
慣れない人が悪さをしようとするとえらい目に合う「夜鷹そばや五郎八」、お石の母親の度量の大きさに感心するしかない「野老沢の肝っ玉おっ母あ」、25歳で完全な生き遅れ扱いかと気が重くなる「表題作」、まだまだ東吾と源三郎コンビとは年季が違うと思った「北前船から来た男」2011/09/18