内容説明
るいは玩具店で素朴な犬張子の人形を買って帰るが、「間違って売ってしまった」と職人の文治郎が別のものと取り替えにやってきた。その文治郎が斬り殺され、娘も惨殺される事件が起こる。その裏には、孫の徳太郎を巻き込んだ大店の跡目争いが見え隠れし……。犬張子に込められた孫への情愛が胸を打つ表題作ほか、日本橋の人形市に出かけた東吾が、次々と鍾馗の旗を買う羽目になる「十軒店人形市」など全8篇収録。おなじみ「かわせみ」ファミリーが大活躍する人情捕物帳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kazu@十五夜読書会
9
御宿かわせみシリーズ第21巻。玩具職人の文治郎が斬り殺され、続いて娘も惨殺された。事件の裏には、孫の徳太郎を巻き込んだ大店の跡目争いが…。玩具の犬張子に込められた孫への情愛が胸を打つ表題作ほか、「独楽と羽子板」「柿の木の下」「鯉魚の仇討」など七篇。るいと東吾、同心の畝源三郎など「かわせみ」ファミリーが大活躍する人情捕物帳。
YuiGaDokuSon
7
人情溢れる御宿かわせみシリーズを読むと、なんともいい気分になる。2012/08/24
椿
6
再読。御宿かわせみシリーズ第21作。「愛宕まいり」が心に残ったよ。喜兵衛さんが甲州で、のんびりと過ごせるといいなぁ。2015/03/19
gosuken
6
「十軒店人形市」が印象に残った。東吾が皆の為に鍾馗を購入する姿に和んだ。2014/04/21
えぐ@灯れ松明の火
6
小文吾が切ない『柿の木の下』、祖父と母親が息子を守ろうとする姿が印象的な表題作、鯉の絵がそんなに欲しいか?と思った『鯉魚の仇討』、次から次へと絵を買いまくるハメになる人の良すぎる東吾が面白い『十軒店人形市』、いつの時代も趣味に血道をあげる人がいるなぁと思った『富貴蘭の殺人』、そして今巻の一番は、「女房を殺した」という意味が深い『蓮の花』2011/09/04