内容説明
大鳳吼は九十九三蔵の協力を得て、織部深雪を拉致したルシフェル教団のもとへ。深雪の無事を確かめるが、庭で番犬と化した菊地に出会う。一方、九十九を追ってきた龍王院弘は、森で宿敵ボックに出くわす。著者渾身の大河シリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たいぱぱ
60
やっぱりこの物語は面白い!面白過ぎる!!連載が始まって37年、僕が読み出してから31年。本文中に「この夏のことなのに、もう二十年、三十年も前のような気が」とある。気じゃねぇよ!三十年前だよ!と声を大にして言いたい(笑)。龍王院弘vsボックの熱い再戦。シッダールタと会い、始皇帝にも会った赤は、現在も生きているのか?人を獣に変える禁断の技を描いた外法絵を巡る謎に、十番目のチャクラ。格闘、歴史、宗教、ファンタジーが絶妙な配合で結合したこの作品は、叫びたいくらい面白い!!2019/06/09
chiseiok
32
初刊行から37年も経つのかぁ…(遠い目)。ま作品内では大して時間経って無いんですけどねw。獏さんの物語師としてのキャリアの中で積み重ねられてきたもの、また失われていった(いや、削ぎ落とされていった…とも言えますが)もの、作品内に色濃く反映されていますね。『涅槃の王』とか『餓狼伝』とか本作と兄弟シリーズの『闇狩り師』とか、いろんなシリーズのエキスが感じられます。あとがきで、作品内に張り散らかした膨大な量の伏線を回収するのが楽しい…と仰られているのですが、その心意気が素敵です。最後まで付き合いますよ、獏さん!2019/11/09
ぐうぐう
27
始皇帝と赤のエピソードを綴る『史記拾遺』から始まる『キマイラ』最新刊。大胆な解釈とはいえ、歴史をバックボーンとしていることは、『キマイラ』という物語の強度を高めている。現代パートでは、龍王院弘とフリードリッヒ・ボックとの死闘が描かれている。ページ数にして40枚を超える分量で、二人の対決は続く。しかし、それが今巻のメインイベントではない。そのあとの吐蕃のパートこそが読みどころなのだ。外法絵をめぐる物語は、キマイラの謎そのものであり、あとがきで夢枕獏が言うところの37年間の伏線回収の重要なひとつだ。(つづく)2019/05/15
はじめさん
21
拐われたヒロインを救出すべく、ルシフェル教団のアジトに潜入を試みる吼と三蔵ーーんなこたぁ、俺にとってはどうでもいいんだよ! 負癖が続き、挫折した天才・龍王院弘。三蔵の兄、乱蔵が主役の闇狩り師シリーズに出稽古というかゲスト出演、天敵ボックの操る鬼勁使い撃破という成功体験でトラウマだかイップスを克服し、ついにこちらを黄色い猿と蔑む毛唐とあいまみえる。読者はこの再戦をはじめて客をとる遊女のように股を濡らせて待っていたッッッ! 艶やかなる美技・双龍脚が疾り、俺たちを魅せる! 戦闘はセックス以上のコミュニケーション2021/02/04
miroku
19
もうすぐ完結と言いだしてからが長いというのは、ファンには周知の事実。気長に待ちますよ?2019/09/17