内容説明
久鬼麗一と大鳳吼がキマイラとなる前の物語。まだ中学生だった久鬼と九十九三蔵は、円空山で運命的な出会いを果たす。そして、ともに進学した西城学園で、学園を支配する組織「もののかい」の手が、ふたりに伸びてくる……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
75
「物語りせよ」と作者を鞭打つつもりはない、ないがこれはどうしたことだろう。本当ならこのサブタイトルは最終のものだといって…だがしかし後数巻はかかるだろうと、書いておられたのに物語はクライマックスに移ることなく針の跳んだレコードの様に物語の前の部分に戻ってしまっているではないか!語り切れなかったものを語り直しているのか?この調子では後何巻係るものかはそれこそ作者の筆次第…僭越ながら物語は完結して、書き足りない部分は外伝でお願いしたい。2017/02/05
chiseiok
33
奥付の発行日見て、おっと読み残してたわ…と購入。ルーティンとして読み始めたのですが、何だこれ面白い‼︎そろそろ畳まれるであろう大河ストーリーの更に過去エピソード。この期に及んで何でこんなにわくわくさせる?無論シリーズ通して読んでいるが故の面白さなのだけれど、本作と前後して始まった「魔獣狩り」シリーズの結末が自分的に不満だっただけにこれは嬉しい。貘さんの物書きとしての言わば背骨的なシリーズなんだろうなとつくづく感じる。大沢在昌の「新宿鮫」冲方丁の「マルドゥック」月村了衛の「機龍警察」…的な。次巻すぐ探す!2018/10/30
ぐうぐう
26
久鬼麗一と母の過去が語られる『キマイラ曼陀羅変』。そこから久鬼と九十九の出会いが描かれ、物語は西城学園の抗争劇へと流れていく。キマイラをめぐる歴史を延々と読んできた読者にとって、再び過去のエピソードが繰り広げられることに対して、ため息を吐きたくもなるが、冒頭の岩村賢治の詩が夢枕獏の心境を吐露している。「だから神は/毎夜/夜毎に/泣きながら/物語りするというのである/物語りせよ/物語りせよ/と言われる度に/神は/もう許してくれと哭きながら/物語りするというのである」(つづく)2018/11/28
miroku
24
物語は・・・本当に語り終える日が来るのだろうか?2017/07/31
たいぱぱ
24
これまでの読書人生で、一番好きな本です(仮)。まだ完結してないので(仮)です。ティーンの頃から読みはじめて、まさか自分の子供が大鳳吼の年齢を抜くまで続いてるとは、思いもしませんでした。雪蓮の一族の秘密の一部がわかり興奮の前作から、ここにきて、九十九や九鬼の高校1年時代に戻るとは。そして話が闇狩師みたいな方向に・・・。ちょっとそれは違うんじゃないかい獏さん。2017/01/27