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内容説明
儒家へのアンチテーゼとして生まれた墨家。その思想を読み解けば、「自分を愛するように他人を愛する=兼愛」、「自ら攻め入ることを否定する=非攻」など、驚くほど近代的な思想が見えてくる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
4fdo4
14
墨子は読むたびに、身が引き締まる思いをする。 それは妥協が無いからだろう。墨子の思想は「ちょっとそれは無理じゃないか?」と現代では思う内容が散見される。しかし、それをもし実践できれば私は儒教よりも現代にマッチしている思想なのではないかと思う。特に博愛に関しては、東アジアの男尊女卑や年功序列文化と正反対であり、現代に即している。ただ、為政者に受け入れられにくいのも無理はない。 2021/06/26
ukmsblue
9
「非攻」と「兼愛」。孔子の本来の意図はどうあれ、儒教は支配者のために使われてきた、都合の良い秩序原理、との感が強く、その儒家たちと対立した「墨家」についてはそれだけで興味をそそられた。君子に対する諫言を儒家は三度ダメなら臣が引けと説くのに対し、墨家は諫言である以上言い続けよ、とする点が対照的。生き抜くには前者のほうがよさそうなのは間違いないが、それゆえに墨家の激しさに魅かれる。2019/06/27
デューク
6
諸子百家の時代には儒教と並び称される存在であった思想、墨家の入門書。 侵略戦争を否定しする「非攻」、自分や近親者だけではなく全ての者を等しく愛する「兼愛」、徹底した実用主義と節約志向、虚礼の否定、実証的な科学思考、冷徹な人材確保術と人材活用術、などなど。儒教をはじめとする他の諸子百家とは一線を画する、現実を見、現実に即した思想の数々。2000年たっても色あせないのは、人間の本質が2000年では変わらないからだろう。おすすめ2019/05/18
クラーケン
5
諸子百家の中で、急に「愛」の重要さを説く墨子って何か変だなぁ。と思っていたけど、納得しました。何か近代の哲学者的な考えで、神や伝統にとらわれず、人が争わず済むにはどうしたらいいのかを根本的に考えた結果が「兼愛」だったんだなと思いました。宿命を受け入れないっていう点もいいですね。鬼神の存在まで来ると現代と相容れない気もするけど、リバイアサンみたいなものと思えばホッブズみがあっていいのかも。2023/01/03
のりのりお
4
中国の思想家墨子の発言の漢文⇨日本語訳⇨現代語訳と現代人にもとてもわかりやすい様に書かれており途中コラムもあり、現代と墨子の繋がりなどとてもテンポの良さ本でした!儒家と墨子家の細かな違いなども比べながら進めて行くので良い! 2019/01/18