- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
☆★「ビギナーズ・クラシックス 中国の古典」、日本人にも馴染み深い、中国明代の小説を刊行開始!★☆
明代中国で作られた『水滸伝』は「四大奇書」の筆頭とされ、江戸時代以降の日本文学にも多大な影響を与えた。108人の好漢が暴れまくり、腐敗した権力を打倒していく物語は、時代を超えて愛され続けている。全ての回のあらすじを収録し、原文の喋り言葉を活かした現代語訳と行き届いた解説によって、長大な物語の面白さと奥深さを一挙に愉しめる。魅力ある登場人物たちはどこから来たのか、物語の背景に迫るコラムも充実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
13
同シリーズの従来作とは異なり原文に当たるものが現代語訳だけというのは体裁上さすがに無理があるが、水滸伝研究の第一人者によるコラムがその不備を補って余りある。コラムでは版本上の問題を解説するほか、『大宋宣和遺事』や元雑劇など先行する水滸伝物語群に基づいて作中の矛盾などを読み解き、より深い読、時には現代的視点からの読みを提示するなど、読み応えがある。コラムのためだけに本書を読む価値がある。ビギナーだけでなく年季の入った水滸伝マニアにもお薦め。2023/12/28
みじんこ
3
最初の成立事情や諸本についての話も勉強になった。全ての回についてしっかり要約・一部原文訳がなされている。武松、李逵の活躍は特に印象に残ったが、百八星もいるためこの人は以前どこで出てきたのだったかと思うことも多々。三国志演義は知っているのでそちらと関連する人物もいて面白い。なぜ宋江がリーダーとして慕われるのか、攻めてきて捕えられすぐ投降するのは節操がないのではといった読んでいく中で生じる疑問にも充実したコラム等含めて答えているのもよい。「江湖の世界」における仲間意識は独特であった。終盤の展開は寂しさもある。2024/01/04