内容説明
正月の秋葉原で見つかった死体には、大量の現金が詰め込まれていた。連続して同様の死体が発見されるが被害者の共通点は見つからない。比奈子ら「猟奇犯罪捜査班」は警視庁で「リッチマン殺人事件」に取り組むが……【電子版特別付録】次巻『ZERO(ゼロ)』プロローグ原稿
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
せ~や
235
このシリーズに出てくる犯人は、みんな人間臭い。方法は異常殺人であっても、動機は人間臭くて、自分も一歩間違えれば、もしかしたらそうなってしまうと思えてくる。「人はみんな弱い。弱くてかまわない。だから助けてくださいって頼むことに全力を注いで、強くいれるように抗えばいい」…原島さんの言葉に、全てが詰まってる。弱くてかまわない。でも「助けて」という言葉は、言う側にとって口を開けないくらい重たい言葉なんだろう。弱くったってかまわないんだ。自分の「弱さ」を、周りにいる誰かの「弱さ」を少しずつ認めていきたい。2017/01/19
absinthe
205
駆け出しで半人前。妹キャラの比奈子。読んでてこそばゆくなるようなお説教。好きだなぁ。ここが読みどころだろう。「がんばってください」とばかりにabsintheも檄を飛ばしてもらいたいな。このあたりが楽しめないと本書との相性は良くならないと思われる。こんな妹欲しいなぁ。2019/02/12
Kazuko Ohta
159
同じ作家を続けて読まないように心がけていたのに、このシリーズを3冊続けて読んでしまったのが先々月のこと。そろそろ次に行ってもいいよね自分に尋ねて4冊目。久々に開くとプロローグにもうワクワク。よくもこんなにえぐい殺し方を考えつくものです。遺体の描写については想像力を働かせずに読むのが得策。ホルモンとか焼肉とかやめて(泣)。猟奇殺人と特殊詐欺事件がどこで繋がるのか見もの。切ない読後感も好き。肉まんにホットココアの組み合わせは私は要らん(笑)。あれ?そういえば秋葉原の第一発見者、どうなりました?どうでもえっか。2018/12/17
みっちゃん
120
ドラマではラスト、狂った目で哄笑し続ける老人たちが不気味で堪らなかったが、こちらは同じ事件を扱いながら全く違う読後感。全然関係のなさそうな事柄が最後に1つの事柄に収束する面白さも堪能できた。こちらの比奈子ちゃんの、ひとの懐に飛び込み、その本心を引き出してしまうのは、原作だけの特質だね。そしてラスト!むむ。これはドラマと同じ経過を辿るのか!?2016/09/06
ゴンゾウ@新潮部
116
藤堂比奈子シリーズ。身体に大金を詰め込まれた不審な死体の数々。猟奇的なにおいがプンプンとするのですが。わりとすんなり。犯行の動機は切ないけれどあっさりと終わってしまった。それよりもエピローグの手紙が。 2019/01/27