内容説明
司馬文学に新しい光をあてる豊かな短篇小説の世界
直木賞作家・司馬遼太郎の創作活動はまず小説誌を中心にすすめられた。1961年に発表された11篇を収録。単行本未収録作2篇を含む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
38
この本は、非常に文字が大きくぜいたくに作ってあるので私のような年寄りにはありがたい本です。文庫と違い持って歩くのには不便が伴いますが、机上などで読むにはいいと思います。この中の短篇は「八咫烏」、「飛び加藤」、「果心居士の幻術など」時代物の短篇が11収められています。私はほとんど読んだことがあり再読ばかりですが、初期のころの作品を楽しめました。2014/12/20
kawa
25
1961年発表短編集。巻末の「おお、大砲」は幕末の天誅組と防戦の高取藩の顛末、家康から賜り300年伝えられてきた大砲・ブリキトースの活躍や如何に。主人公の「侍のころは、ばかばかしいことが多かったな」の独白、幕末を描く短編小説としては出色。他にも大阪城の役、豊臣側で活躍した塙団右衛門の「言い触らし団右衛門」、荒木又兵衛の「売ろう物語」等、歴史小説好きにはおいしい作品が多し。2022/10/02
AR読書記録
5
司馬さん武士が好きなんだか好きじゃないんだか。っていうか、とにかく商人は好きなんだよね。武士の、忠義とか一徹さとか、命よりも大事にするものがある、というところにも惹かれるんだけど、それ以上にまず命、命買えるならお金だってなんだって使えばええがなという、商人のプラグマティックさには感服、みたいなところがあるんじゃないかなって。武士の困った点については「ああ、大砲」にそれはもうわかりやすく描かれていて、そりゃあ維新もやむなし。とはいえその後の日本の歩みも困ったもんでな(というのはここにはないが)。2016/07/05
ken7ito
2
寝る前に読むのに良い分量2010/11/14
たくぞう
1
佳作揃い。2021/12/09