内容説明
司馬文学に新しい光をあてる豊かな短篇小説の世界
1965年から66年に発表された14篇を収める。「功名が辻」「竜馬がゆく」「国盗り物語」と長篇の比重が増し、短篇創作のペースが落ちるころ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
42
42歳から43歳の頃に書かれたものを集めたもので司馬さんの油にのりきった時の作品集だと思います。とくに短篇集で文庫に収められているものが多く再読したものがかなりありました。また豊臣家の人々からもいくつか収められています。とにかく読んでいてかなり引き込まれるものばかりです。2015/03/22
kawa
34
65、66年執筆短編全集。「豊臣の人々」としてまとめて書籍化された全九話のうち第一話から四話までを収録。秀吉の養子となった三人、秀次(秀吉の姉の子)の「殺生関白」、小早川秀秋(秀吉夫人寧々の甥)の「金吾中納言」、人質として預けられ秀吉に可愛がられた「宇喜多秀家」、各々のポンコツぶり比較読みが面白い。他にも島津久光の「きつね馬」、松平容保の「王城の護衛者」等力作が並ぶ。特に「きつね馬」は久光の幕末における人物評定と言う意味で初知りのことが多く興味深く読めた。2023/03/23
ハルのうた
8
14作品全八百頁近くあり読み応えありました。「豊臣家の人々」は読んだことがありその収録作品は再読。 /「蘆雪を殺す」長沢蘆雪の犬や雀の絵は本当に可愛くて好きだったので、その人物像にかなり驚いた。改めて調べてみると実際傲慢な一面もあった上その死は謎もあり、創作できる幅があったのかなと思う。 /佐賀藩主からアームストロング砲を藩で作れるよう命を受けた秀島藤之助の苦渋「アームストロング砲」 /会津藩主・松平容保を描いた「王城の護衛者」 /井上馨の命を救った所郁太朗の話「美濃浪人」 など、短編ながら濃い作品多数。2023/07/07
シノッツォ
1
『王城の護衛者』。松平容保を主人公にした作品。家訓や、藩主としての責任を全うする姿に、胸が締め付けられるようだった。 2018/12/01
Genei-John
1
この巻(1965年~1964年)か、この前の巻あたりから司馬節が完成したような…2013/01/07