内容説明
司馬文学に新しい光をあてる豊かな短篇小説の世界。全十二巻
司馬文学の大長篇という大山脈を眺めわたす豊かな短篇という峠の数々を発表順に編纂。第一巻は未刊行十八篇を含む二十一篇を収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
50
司馬さんの初期の短編集と言うことで、探していた「ペルシャの幻術師」を読みたくて図書館で借りちゃいましたが、実に読みやすく、バラエティーにとんだ内容で、順不同でバラバラに読みましたが、司馬さんの初期の作品に触れることができてよかった。2016/12/02
kawa
31
司馬先生青雲の志時代の短編作品集。学生時代の蒙古語専攻と新聞記者時代の宗教担当などの知識や経験を杖に、幻想ムードをドレッシングに使う独特な歴史小説集。後の名作歴史小説とは手触り感が異なるが、これらはこれらとして魅力的で楽しめる。大阪商人に焦点をあてた「丼池界隈」「大阪商人」2編も意外性もあって新鮮。「花妖譚」「ペルシャの幻術師」は再読。2022/07/02
hiro-yo
19
司馬遼太郎さん1950年代の短編集。龍馬が行くを何度も途中で挫折しています。再チャレンジ前にまずは短編集で慣らし読みしました。短編とは言えどれも奥深い。スケールの大きさを感じます。2019/05/05
ジャズクラ本
17
再読◎この短篇全集は時系列も整っており、網羅性もなかなかで実に良い。最初期は寺社担当の新聞記者らしくブディスト・マガジン掲載の宗教小説(福田定一名義)。その後文庫本でも出版されている10篇の「花妖譚」を手がけ、講談倶楽部賞を受賞した「ペルシャの幻術師」や「戈壁の匈奴」といった西アジア物に移行していく。大阪市井の商人ガタ政を描いた「丼池界隈」「大阪商人」は異例の現代(戦後)小説ながら滅法面白い。最後は中国に伝わったキリスト教を題材として夫婦愛を描いた「兜率天の巡礼」で締めくくられる。濃い内容の第一巻。
のし
12
今までの印象とはずいぶん違う本でした。2018/07/01