内容説明
司馬文学に新しい光をあてる豊かな短篇小説の世界
『竜馬がゆく』の構想を胸に1961年11月から62年4月までに小説誌に発表された11篇を収録。単行本未収録作1篇を含む
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
34
この巻には、司馬さんが38、9歳頃(1961~62)に書かれた短篇が11ほど収められています。いくつか読んだことのあるものもありますが、読み直すとこのころはエンターテイメント系を目指していたのかと思え楽しめました。時代劇ばかりですが、山本周五郎さんや藤沢周平さんを思い出させるような作品もあります。2014/12/30
kawa
33
戦国から幕末にかけて歴史好きが読んで楽しい粒ぞろい11短篇集。「真説宮本武蔵」では、時の世で軽んじられる武芸者・武蔵の立身出世の葛藤を、「京の剣客」では、武蔵の敵役、吉岡道場一門との対決の真相が描かれ各々興味深い。他にも、宇喜多家重臣・稲目佐馬蔵(「雨おんな」)、藤堂家重臣・渡辺 勘兵衛了(「侍大将の胸毛」)、加藤清正重臣・飯田覚兵衛(「覚兵衛物語」)、大阪の陣西軍で活躍の薄田兼相(「一夜官女」)などマニアックで魅力的な豪傑たちが目白押しで登場。2022/11/02
AR読書記録
2
商人→しのびと興味が移ってきて、今巻は関ヶ原や大坂の陣前後の浪人が中心か。場所的にも大坂(大阪)から近江へと舞台が移り(広がり)つつあるようす。年代順の編集だと、そんなふうに司馬さんの興味のありどころを想像する楽しみもあるな。同時期に長編を書いてらっしゃるか、それはなにか(こうした短編はそれらの取材・研究の余波的なものか)なども調べてみるといいかなとは思うけど、実行には至っておらず... それから「渡辺幸庵対話記」「覚兵衛日記」とかみたいな「史料」の扱いな。少しずつ慎重に司馬作品に向き合うようにしたい。2016/08/09
ジョン・ワン次郎
1
たまには大家の本を。若いころ好きでした。2010/06/04
たくぞう
0
『古寺炎上』(昭和37年10月15日・角川書店。「豚と薔薇」と併収)。…… 読んでみたいなあ。司馬遼太郎が亡くなってもう四半世紀。そろそろいいんじゃないかなあ。坂の上の雲だってドラマ化されたんだし。2022/12/23