内容説明
イタリア人実業家の亡夫から相続した、小島の館に隠棲する日本人女性=レニエール夫人。彼女から鑑定の依頼を受けヴェネツィアを訪れた神代教授と京介だったが、跡を追った深春、蒼と合流そうそう島の売却を巡るトラブルに巻き込まれる。そして不可解な殺人事件が! (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
78
【建築探偵桜井京介シリーズ】第7弾。今回は初の海外編という事で、イタリアのヴェネツィアでの物語。作者のイタリア愛が強く感じられるトラベルミステリ的な蘊蓄やガイドが至る所に在り、実際の事件発生までは結構時間がかかる。犯人側のトリックは、比較的簡単に想像がついてしまう、よって最初の方で少し明かされているが、以前この島を訪れた後に行方不明となった女性の謎が問題となる。切ない結末だが、男の勝手な思い込みには、もっと冷たい終幕でも良いと思う。私的にはキャラミスの認識で読んでいるから、蒼の成長を感じる事は気持ちいい。2021/02/26
coco夏ko10角
25
建築探偵シリーズ8冊目。イタリアが舞台。名前・地名カタカナ覚えるの苦手(汗 時期が短編『神代宗の決断と憂鬱』の後なので蒼が悩んでいる。大人になっていく蒼の決断。最後、京介と犯人の場面でちょっとゾクリと。2017/11/02
コス
25
このシリーズ始まって以来の海外ネタです。ちなみに横文字の名前はあまり覚えられません(汗)今回のテーマは挙げるならば裏の顔とでも言うのでしょうか?こてこての推理小説というよりは人間関係の複雑さをテーマとした一風変わったストーリーな気がします。2014/04/09
roomy
20
行ったことのあるヴェネチアが舞台なので楽しく読めました。読後は良くはないけど蒼の成長に感動。私は仮面をかぶって生きたくはないな。今回は特に建築物はなかったが古い建築物が多いイタリアってことで良しってことかな。それにしても本当にイタリアの警察はあんなにひどいのだろうか。怖いな。2013/02/26
tomtom
17
館についてあまり触れられていないのは残念。蒼が大人になったなと思うと同時に子供っぽい言動もあってかわいい。そして深春がそっと見守る感じがいい。なんとも悲しい事件だった。2023/12/18