内容説明
旅先のインドで、橋場亜希人が不可解な「密室」死を遂げた。10年後、橋場の恋人だった狩野都は群馬山中に「恒河館」を建て、当時の旅行仲間たち、そして桜井京介を招く。ミステリアスな「館」で展開される真相解明劇。そこへ、さらなる悲劇が……。過去と現在が複雑に絡み合う謎を、京介はどう解き明かすか? (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
53
桜井京介シリーズ第二弾。アガサ・クリスティの「五匹の子豚」と同じく、過去に起きた事件の真相を解明しようとする作品です。十年前にインドで男が亡くなった時に、その場に居たメンバーが集められ当時の再考がなされます。現場がインドであり、しかも密室での出来事である為、記憶を頼りに推測するしかない状況です。しかし事件は第二の殺人へと、変貌して行きます。この設定の難しさは推測の域を出ない事ですが、第二の殺人により納得の犯人当てに仕上げています。そして最後に驚きの事実が明かされますが、報われない思いがテーマに思われます。2015/02/13
ヒロユキ
36
建築探偵シリーズを読んだのに建築ほとんど関係なくてビックリ(笑)なるほどシリーズ2作目にして異色作だったんですね。作品に掛かるインドに関する装飾や、ラストのどんでん返しが上手く決まっていて面白かった。2012/06/07
Tetchy
32
なんとも読みにくさを感じる小説だ。特に場面が思い浮かばない。添付された舞台となる恒河館の見取り図と作内で騙られる場面が結びつかないのだ。見取り図にはない部屋の室名で場面が語られるため、非常にシンプルな構造をしているにもかかわらず、いやそれがゆえにそれぞれの人物がどの部屋にいるのか、どの部屋を指しているのかが解りにくい。また最後に判明する登場人物名に込められた意味がなんとも漫画的で脱力。自分の好きなものを垂れ流し的に書くのではなく、もう少し読者の目を意識した作品を著して欲しい。2010/07/12
流言
30
『犯行現場の作り方』から興味を持って手に取って読んだ。インドが作中で重要なウェイトを占めるというエキゾチックな雰囲気と、最後の最後で明かされる衝撃の真相が強いインパクトを残す奇作という印象だった。読み終わってからタイトルを読み返してみれば、タイトルで既に先入観を植え付けられていたということに気づいて驚いた。『建築探偵』という触れ込み通り、建造物を用いたダイナミックなトリックも特徴の一つといえる。様々な視点から深い造詣を持って描かれた作品だというのが伝わるが、もう一つ解決編にカタルシスが欲しかったとも思う。2017/05/20
山ちょ13
21
「玄い女神/篠田真由美」読了。桜井京介シリーズ二作目。過去の知人の不審死を、同じく知人に依頼された京介。絡み合う恋心、純粋なまでの信仰心、私欲に満ちた心。様々な心により引き起こされた数々の悲劇。前回の「未明の家」以上に積極的に謎解きに挑む京介。彼をも虜にした都。その正体が明かされた時、都の真の魅力に触れられた。2016/09/26
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