内容説明
悪い事をしながら善い事をし、善い事をしながら悪事を働く。心を許し合う友を欺して、その心を傷つけまいとする。全く人間とは奇妙な生きものよ……とは鬼の平蔵の心の底からの述懐である。盗賊でも市井の者でもみな普遍の業を心にしまいこみ、矛盾を抱えながら生きてゆく。その虚実を突きながら、情を持って応える人生の達人・鬼平の魅力いやますシリーズ第八巻。「用心棒」「あきれた奴」「明神の次郎吉」「流星」「白と黒」「あきらめきれずに」の六篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
144
今回は6編の短編が収められています。主人公の鬼平も時には名前を変えたりして、市井の中で隠密的な仕事をします。また部下などのこともあったり、結構濡れ場的なものもあったりで飽きが来ません。本当に池波さんの書いているものはエンターテイメントですね。2017/05/20
s-kozy
75
最も弱いところを突かれ平蔵が追い詰められる「流星」初め鬼平ワールドが存分に堪能できる充実のシリーズ8作目でした。「人間とは、妙な生きものよ。悪いことをしながら善いことをし、善いことをしながら悪事をはたらく。こころをゆるし合うた友をだまして、そのこころを傷つけまいとする」これである。ここに作者の人間観が表れている。2014/05/21
ポチ
60
左馬之助が結婚しました。忠吾の食い意地が益々張って来ました。これからの話がまた楽しみになりました(^^)2017/04/27
kinkin
59
「用心棒」「あきれた奴」がよかった。鬼平犯科帳は何度も読んだが飽きないのはなぜだろう。読んでいると池波正太郎氏が映画好きだったことが分かるところがある。書き方が脚本のようなト書きのようなところがあってそれが登場人物の動きが読者にうまく伝わってくるのかもしれない。2015/06/22
スター
35
今回も、良かった。特に印象に残ってるのは、図体ばかりでかくて、たよりない用心棒の出てくる「用心棒」、左馬之助の恋の行方をえがく「あきらめきれずに」が良かった。2018/09/18
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