内容説明
日本橋の茶道具屋『香風堂』の若い手代が、お店の一人娘おくみを勾引した。吟味方与力・大久保忠左衛門の命を受けた白縫半兵衛は、香風堂周辺で聞き込みを開始するが、おくみとともに姿を消した手代・新助の評判は悪くなかった。真面目で働き者の新助が、五つも年上の出戻り娘のおくみを勾引したのは何故なのか。やがて香風堂に身代金を要求する結び文が届けられ――。「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く北町同心の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第十九弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
120
シリーズの最新刊!第19弾も安定の4話なのだか、表題にもなっている三話目が好い。お店の出戻り娘·おくみが強かで··『怖い、好い女』だそうだ。私に言わせると、「なに言ってんだか」ですが(笑) 2023/06/30
やま
58
北町奉行所臨時廻り同心、白縫半兵衛の人情味のある裁きが見所の物語です。半兵衛は、罪を犯した者の情状をくんで「世の中には知らん顔した方が良いこともあるさ」と嘯きながら事件を治めていきます。そのために「知らん顔の半兵衛」と呼ばれています。短編四話の中で、夫の病を手遅れと言って遊びに行く悪徳医師を書いた「手遅れ」は、妻が自らの命をかけて獄門にもっていく壮烈さが凄いです。それと隙間風の五郎八は、楽しいです。2023/09/21
真理そら
48
表題作にはこわくて魅力的な女の人が登場する。こんな女の人にも心が揺れない半兵衛さんって…。2023/06/18
goodchoice
2
安定した内容の半兵衛シリーズは安心して読んでいられる。いつまでも続いて欲しい。2023/08/10