内容説明
闘病中の旗本堀川頼母を往診する、藪医者と評判の中井良伯。その良伯の後を追う一人の小柄な年寄りがいた。年寄りの正体は老盗人の〈隙間風の五郎八〉。五郎八の動きに不審を抱いた北町同心の白縫半兵衛は、岡っ引の半次に命じて五郎八の狙いを探ろうとするが――。堀川家が藪医者の良伯に往診を頼むのは何故なのか、そして五郎八が堀川家から盗み出した物とは!? 「世の中には知らん顔をした方が良いこともあるさ」と嘯く半兵衛の人情裁きを描く、書き下ろし人気シリーズ第十六弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
148
いつの世も悪い奴はどこまでも悪い。ずる賢い奴らには鉄槌が下るのを私たちはいつも願っているよね。大好きなシリーズ第16弾!今回も安定の面白さで4話があっという間。渡世人となっている兄・喜平が妹等と再会せずに去る3話目は、これしかないのだがちょっとだけ切ない。2022/06/01
やま
67
北町奉行所臨時廻り同心、白縫半兵衛の人情味のある裁きが見所の物語です。半兵衛は、罪を犯した人の情状をくんで「世の中には知らん顔した方が良いこともあるさ」と嘯きながら事件を治めていきます。そのために「知らん顔の半兵衛」と呼ばれています。→2022/09/24
真理そら
47
市井物の王道的な『流れ者』が好きだ。『走野老』では「なぜ神代新吾に相談しないのか」とじれったい気分になった。2022/05/15
一五
7
老盗賊 隙間風の五郎八 知らん顔されてよかった。 しかし、大久保様 悪党は皆死罪だな2022/07/21
Suzu
0
新・知らぬが半兵衛シリーズ第16弾。第一話笑う女。絹江は何故笑ったのだろうか。自ら水野織部正に夫の仇を討つことができなかったことに対する思いなのか。第二話隙間風。五郎八は良伯の悪事に気づいたきっかけが気になる。慶四郎を殺した辻斬りが誰だったのか気になる。そしていくら窮地を助けたからといって五郎八が見ず知らずの半次に強請りの絡繰りをベラベラ話すかなぁと思ったが。走野老、なんて恐ろしい毒草なんだ。それよりも人徳者を装って非道なことをする人間のほうが恐ろしいか。そして次巻に進む。2023/04/17