内容説明
人口の推移と人物伝でたどる「世界の首都」3000年の栄枯盛衰・出口治明氏、はじめての「ローマ史」・人口推移グラフで、都市の盛衰がひと目でわかる・人物伝のおもしろさ、通史のわかりやすさ。過去と現在が共存し生き続けるローマ。この「永遠の都」をこよなく愛する二人の著者による、ユニークなローマ史の入門書です。まず、都市の盛衰を人口の推移という客観的な数字で示しました。古代の繁栄と中世の衰退、そしてルネサンス以降の回復という歩みが一目瞭然となります。第二に、歴史は人間が作るという視点から14人の人物を選び、彼らが生きた時代を多面的に描くことで、魅力的な人物伝でありながら通史となるよう工夫しました。楽しみながら教養としての知識が身につく。「世界の首都」3000年の歴史がここにあります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coldsurgeon
8
永遠の都ローマをよく知るために必要なのは、ローマという都市が歩んだ歴史。古代ローマの時代から、第二次世界大戦後にいたる歴史を、11人の人物をピックアップして、描き出す。塩野七生の書籍で、そのほとんどは知っているつもりでいたが、宗教改革時代のベルニーニやスウェーデン女王クリティーナについては、知らないことばかりだった。もう海外渡航することはないだろうけれど、ローマの街中に点在する史跡を想像しながら、楽しく読むことができた。2023/03/31
氷菓子
5
古代ローマ最盛期に100万人まで増加した人口が、帝国衰退と共に激減し、中世はわずか数万人という状態が千年近く続く。そんな中、ルネサンスで天才芸術家達が現れて現代も世界中の観光客を集客するほどの芸術作品が残される。ローマ教会の腐敗で北部ヨーロッパで宗教改革が起るが、それへの対抗宗教改革の一環でバロック芸術が生まれてこれまた現代への遺産として残っているのだから転んでもただでは起きない。バロックといえばカラバッジョと思ってたけど、作品がローマの街と一体化しているベルニーニはまさにローマのために生まれた芸術家。2023/10/22
れいまん
4
著者の出口さんが病気で倒れる前から準備されていた本のようです。 古代ローマのソクラテスの時代から現代まで、たぶん出口さんの頭からすらすら出てきた内容をまとめたように思います。 しかし、何故、世界史に冠たる古代ローマ史がありながら、ムッソリーニが出てきて、現在もファシスト党が強いお国になってしまったのか考えさせられます! 五賢帝時代はパクス・ロマーナと言われ、かのナポレオンも憧れたと言うのにね2023/09/05
ginkan2
2
人口の推移から見る、というのは新しい視点でしたが、それが通底としてあったかは疑問。ローマ帝国、中世、ルネサンスまでは適切な表や図もあって興味深く読めました。その後はちょっと着いていくのがしんどかったです。なんか教科書めくってるようでした。年表や芸術作品の写真などがもう少しあれば楽しく読めたかもしれません。2023/07/26
Hirochikant
2
他の歴史本からだと断片的に(章で取りあげられてたりローマの話が差し込まれたり)触れることが多く全体を掴めてなかった‥。各時代でキーとなる人物をしっかり掘り下げる所も楽しめました。2023/06/02