内容説明
――“ともだち”が、来るよ。文芸部の物語は、終着地へ。
神隠しの少女、あやめ。神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。その空目を護ることを誓った村神俊也。呪われた血を持つ木戸野亜紀。愛のために友を裏切った近藤武巳。近藤のことをただ慕う日下部稜子。呪われた土地に立つ聖創学院。異界の到来を望む魔女、十叶詠子……。
すべての因果が揃った時、かつて神が棲んだ山から、“それ”がやって来る――。
鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作。クライマックス他、最重要シーンを大幅加筆修正の末、堂々完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白火
14
新装版Missing、とうとう読了してしまった…。毎回何処もかしこも「あ、ここ変わってるな」と肌で感じるくらいに読み込んだ物語。クライマックスの詠子との対決は、旧版から大幅な加筆が入っていて、結末は変わらなくてもそこに至るまでが変わっている(詠子への止めとか、空目と俊也の最後のやり取りとか)。私は新旧どちらの描写も好きです。後書きに「一頁も未修正がない」とまである今回の新装版、これはもう「完全版」と呼ぶべきなのかもしれないな。2022/12/05
椎名
13
終盤の改稿、この年月を経ての情報量になんだかくらくらするな……。非常に満足できる新装版となり、コミカライズまで決まったことが喜ばしい。終盤が大きく改稿されたことにより、空目から村神に対して、あやめに対しての感情、関係性が非常に明確になり、魔王と呼ばれ異界に心を囚われていただけで、それでも人間だったのだと強く思えた。自分が思うよりずっと、彼は文芸部のメンバーのことを大切に思っていたのだろうなと。エピローグの亜紀も、これはやはり救いだろう。2022/11/28
冬野
11
シリーズ最終巻。旧版未読なので終盤まで結末を予想できず、ずっとドキドキしたまま文章を追いかけた。とうとう始まった神降ろしの儀式。これまでの物語の因果が巡り、ここに結実する。いかなる存在も神野には敵わないだろう、と思っていたけれど嗚呼、そうなるのか…。それぞれの結末は皆があるべき姿であろうと意志を強く持った結果なのかなと感じる。切なくて苦くて爽やかもある素晴らしい青春ホラーでした…こういう余韻の残るホラーのラストシーンが一番好き。新装版刊行を機に読めて良かった。推し二人の未来が明るいことを願う。星:5/52022/12/15
みどり
11
旧電撃版も普通に読んでいたけれど、この最後の1冊の改稿が大幅すぎて。 決して悪くない、多分良くなっているというか、終わりの終わりが、もとよりずっと曖昧になっていて、より「不気味さ」が増している気がした。 また、新旧どちらも読み直さなければ、というか、1冊ずつ同時進行で読みたいな。2022/11/27
よねはら
10
旧版を読んだのは随分前ですが、あの時読んだものより文芸部メンバーの間に確かな友愛を感じられたように思います。特に亜紀と俊也。ワンチャン変わらないかなと思っていた人達の結末はみんな同じだったので、おおかたの読み味に違いはなかったですが…。全てあるべき形に戻り、穏やかながらもやはり寂しさの残る結末でした。かつての思い出をリメイクしてくれたことに感謝です。お疲れ様でした!2023/01/04