内容説明
名探偵・金田一耕助の一番弟子を自認する立花滋は、冒険好きな友人二人と少年探偵団を結成。だが、彼らの前に「わしはな、七人の少年少女をもろうていくつもりじゃ」と語る、謎の魔術師が現れる。金色のフロックコートに身を包んだ、奇妙な鷲鼻男の狙いとは? 立花少年たちは、同級生が魔術師に連れ去られ、悪魔の生贄にされようとしている世にも恐ろしい場面に遭遇し……! 横溝正史による、推理ジュブナイルの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乃木ひかり
10
横溝正史のジュブナイル物。警察の行動や事件の内容、さらに子供の活躍をうまくバランスを取りながら書かなければならないのは大変な作業だろうと感じる。しかしながら今まで読んだ横溝正史のジュブナイル物の中では個人的には一番面白かった。誘拐されるだけでなく溶けたり消えたりハラハラワクワクです。そして何よりこのカバーが最高に良い。2023/06/17
marty@もぶおん学
7
昭和26年1月に発表されたジュブナイル作品『大迷宮』とつながっており、主人公役は立花滋少年が続投しているが、敵役は怪獣男爵ではなく、金色の魔術師という別の怪人。悪魔崇拝に傾倒した老博士が、7人の少年少女たちを誘拐して生贄に捧げようとするが、一見異常者によるものと思われる犯行に隠された真の目的は……? というのが本作の胆。金田一耕助は体調を崩して関西で療養中と言う設定であり、満を持しての登場は後半になってから。金色の魔術師の正体は分かりやすいが、7カ所の礼拝所の謎はちょっと凝っている。2024/03/17
コブタ
5
金田一耕助のジュブナイル物語。「大迷宮」に登場した立花滋少年が再び登場。金色の魔術師の仕掛けが江戸川乱歩の二十面相オマージュと思わせる。ジュブナイルなので残酷なシーンはほとんど無く、滋少年を頼る等々力警部が少々滑稽。2024/09/03
奥田智徳
3
横溝さんのジュブナイル作品の中でも、特に面白かった。黒猫先生のキャラが良かった。シリーズ化して欲しかったなぁと思いつつ。犯人は途中で分かったけど、今回は仕掛け、ストーリーが良かった。より江戸川さんへのオマージュが感じられる。2023/10/01
hagiwalionV2
2
横溝正史流の少年探偵団。礼拝堂の配置が少年少女の心をくすぐるようなものがモチーフになっていてよかった。2023/09/05