内容説明
朝の尋ね人コーナーに、突然自分の名前が出てきたのを見て、文彦少年は驚いた。不思議に思いつつその人物に会いに出かけ、雑木林を抜けて古びた洋館にたどり着いたその時、館の中から少女の悲鳴が聞こえた。夢中で中へ飛び込むと、そこには頭に鮮血を滲ませ、床に倒れた老人が! ふとしたことで恐ろしい事件に巻き込まれる少年たちと、金田一耕助の活躍を描いた表題作の他「悪魔の画像」「ビーナスの星」「怪盗どくろ指紋」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayako
26
ジメッとした横溝ワールドに浸りたくて読み始めたが、まさかのジュブナイル小説だった。4編が収められた短編集ではあるものの、表題作の仮面城がかなりのページ数を占める。仮面城はいわゆる王道ストーリーもので、テンポが良くて楽しめた。金田一耕助と少年たちの活躍に、大人ながらワクワクした。また東京の実在の土地が登場するので、小説が書かれた昭和20年代と現在の街並みの差異も興味深い。他の短編では新聞記者・三津木俊助が登場するものもあり、特に往年のファンは読んで損はないと感じた。2024/09/05
しーふぉ
23
金田一シリーズだが、少年向けのようです。アクションあり、怪人あり。2023/04/17
凛
21
みなさんのレビューを読みどうやら少年向けの金田一耕助シリーズだと知りました。タイトルにもなっている仮面城が大半を占め、残り3作の短編が収録されています。小学生が事件の中心に巻き込まれれ、金田一耕助と行動を共にするのはいささか無理があるのでは…と思わなくもない本作。けれどそのような無茶設定を差し引いても、宝石の謎、宝石を狙う銀仮面の正体、謎の老婆の正体、文彦の出自…などなど見所が多く、金田一シリーズのおどろおどろしさ、グロさがなくとも、とても楽しめた作品でした。2024/07/15
ケン
15
横溝正史を初めて読む。下調べが足りずまさかの子供向け。横溝作品を読んでいる人たちにとってはお馴染みの人物たちが登場するらしい。金田一耕助すら名前しか知らない自分…。子供向けなのでサラリと読めた。次は「獄門島」を読もうと思う。2025/08/24
marty@もぶおん学
10
初出はS26.4らしいが、冒頭からテレビ(初放映はS28.2の由)が出てくるので、どこかのタイミングでラジオをテレビに改稿したのではないか。というわけで、冒頭から個人情報を思いっきりテレビ(ラジオ?)で公開された少年・竹田文彦君が事件に巻き込まれて、彼の父親と知り合いだったという金田一耕助が乗り出す展開。宝石を執拗につけ狙う怪人・銀仮面が本作の黒幕であるが、その正体は読んでいくうちに大体想像がつく。タイトルの仮面城は、銀仮面の本拠地である。2024/03/03
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