内容説明
将軍家治の後継は?
城の内外に渦巻く噂。
御養君御用掛が始動!
嫡子・家基落命から二年。
田安家の松平定信、一橋家の治済らが噂に上るが……。
折しも平賀源内が殺人罪で牢に。救出法はあるか……?
家将軍家治が十八歳の嫡子・家基を城内で殺されてから二年ほどの天明元年(一七八一)四月十五日、家治の 命で臨時の役が設けられた。御養君御用掛というその役は、老中田沼意次、若年寄酒井忠休、留守居依田政次 の三人に課せられた。最高位の老中が中心となり、お世継ぎび選定作業がはじまったのだ。田安家から養子に出た松平定信、一橋家の治済が噂にのぼっているが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
74
紀州から徳川吉宗に付いて江戸へ出てきた2代目の御庭番・宮地加門と同じく老中・田沼意次の活躍の物語です。加門と意次は、仲が良く。加門は、公私にわたって意次を助けて働く。そして加門の嫡男で御庭番見習いの草太郎と意次の嫡男の意知も仲良く交流している。この物語は、紀州から吉宗に付いて出てきた家の一族が助け合いながら生きて行く様子を描いた物語です。此度は、将軍家治の嫡男・家基が殺されて、次の世継を決める御養君御用掛として老中田沼意次他2名が命じられ。一橋家の治済の嫡男・豊千代が決まる。元服して名を家斉と改める。2021/12/07
ひさか
13
2021年10月二見時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ17作目。田沼意次失脚まであと数年というところの世情は不穏な感じがしますが、思い込みかも。加門もすっかり年配になって、どういう決着にするんだろう。次巻が楽しみです。2021/11/23