内容説明
朝廷重視の軍学私塾に信長直系大名の家老が藩士らを引き連れ……。
信長直系の藩に不穏の影。
小幡藩は二万石の小藩だが織田の血をひく故、国主格。
藩あげて、山県大弐の説に与するならば見過ごせぬ!
将軍の命で加門は探索へ…。
江戸は八丁堀近くの長沢町で山県大弐が開く私塾の動向に公儀は注視しつづけていた。大弐は朝廷を重視し、公儀に批判的な姿勢をとっている。多くの浪人、武士にまじって二万石の小幡藩江戸家老の姿があった。織田信長の血を引く藩主故、藩は国主格。藩をあげて山県大弐の軍学などの説に与するならば見過ごせぬ。将軍の命を受け、御庭番の宮地加門は探索の旅に……。
感想・レビュー
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やま
92
御庭番の二代目13作目 2020.06発行。字の大きさは…中。御庭番・宮地加門は、徳川幕府を守るため探索を続ける…。中山道で前に助郷を命じた上に、此度も助郷を命じたことで、武蔵野国本庄宿を中心として一揆が起こる。幕府は、一揆の首謀者を捕縛し処刑します。山県大弐は、私塾で儒教を講義している。儒教は「臣下は君に忠実に仕えるべし」であるが、君と臣下を誰と捉えるかである。大弐は、君は天子様まであり、武家はあくまで臣下である。幕府は、大弐について、甲府城の武器蔵を襲い、江戸城を襲撃する企みがあったとして処刑する。→2020/08/13
ひさか
2
2020年6月二見時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ13作目。加門も、当代の宮地家を背負って立つ40歳代になり、時の移り変わりを意識できるお話でした。不穏なタイトルですが、小さな事件として処理されて、無難な決着を迎えます。シリーズの完結は近いかな。2020/07/24