内容説明
師走もはや十三日。極上の料理と温かな気遣いが評判の「立場茶屋おりき」でも、朝から男衆たちが旅籠の煤払いに余念がない。そこへ養護施設「あすなろ園」の雄次が心細気な顔をして通りかかった。猟師町にひとりで出かけてくるという。そこには、おりきたちの深い親心があったのだ――(「冬濤」より)。他、男と女の運命の悪戯を描いた「すみれ野」を含めた全四篇。思いやりにあふれる立場茶屋おりきを舞台に、市井に生きる人々の絆と想いを描き切る、待望の二十三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
117
立場茶屋おりき「すみれ野」23巻。おりきさんの周りの人々の登場人物が多いので関係が判らなくなるが、過去を振り帰ってもらえるので読みやすくて良いですね、三代目立場茶屋の女将はどうなるのかなちょっと心配です。2016/05/22
優希
44
思いやりにあふれていて、市井の人々の想いがあたたかいと思いました。絆が優しいですね。2021/12/31
Walhalla
39
『立場茶屋おりき』シリーズの23作目です。今回の3話目の章タイトルにもなっている『鷽姫』についてですが、ルビがないと読めませんでしたが、鳥の『ウソ』の事だそうです。その声と姿の美しさから、鷽姫(うそひめ)という別名で呼ばれているそうです。雄の鳴き声は晴れを呼ぶので『照鷽』、雌のそれは雨を呼ぶので『雨鷽』とされてきたのだそうです。どちらも春の季語として今でも使われていますが、昔の人々は、自然界の出来事をとても敏感に感じていたのですね。この作品から学ぶ事が多いです。2020/09/23
ドナルド@灯れ松明の火
18
勇次が独立を狙うが一人で交渉に行かせ網元にはいることに。相変わらず連次が身の丈に合わず偉そうにしている。 三吉の祝言の連絡がありおきちと潤三が京に行くことになるがおきちは女将になろうとする心構えができてないようだ。2020/10/06
ケイプ
13
おりきシリーズの第二十三弾。おりきのまわりでも少し変化がありました。おきちの発言にさあ、どうしましょう。。。おりきの女将としての対応が気になります。まだまだ追いかけます、おりきシリーズ。2016/05/17