内容説明
アレン、生死不明。凶報を受けた彼の教え子たちは、それぞれ王国を巡る陰謀が動いていることに気づく。リディヤがいる南都でも、侯国との開戦が近づき――。アレンの隣に立つため、リディヤは自ら剣を握る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
35
アレン、生死不明。凶報を受けた彼の教え子たちは、それぞれ王国を巡る陰謀が動いていることに気づき、リディヤがいる南都でも侯国との開戦が近づく第六弾。侵攻される東部を救うため自ら身体を張って奮闘するアレンの苦境。時を同じくして王都が陥落して行方不明の王族、北部はハワードの帝国、南部のリンスターは侯国の圧力を受けるという絶体絶命の展開の中で、最後まで諦めないアレンと両公爵家の決断、再びアレンの隣に立つため剣を握ったリディアの覚悟はなかなか壮絶でしたけど、ここからどう活路を見出し希望へと繋げてゆくのか続巻に期待。2020/07/18
まっさん
29
★★★★ 激動の第二部、オルグレンの叛乱にその機に乗じて仕掛けてきた他国との戦争さえ始まるまさに未曾有の危機。web版を読んでいるため大まかなあらすじは知ってはいるものの、やはり加筆で有名な七野先生の事だけあって細かい所が多々変更されている。最大の変更点はweb版と比べ物にならないくらいハードモードになっているところ。加筆の影響から個々のイベントの描写がより具体的に描かれているため、アレンの扱いなどがより不遇なものになっていたり敵側に思わぬ人物が登場したりと読者のメンタルがごりごり削られる事に。これはw→2021/03/06
まるぼろ
24
さて今巻は主にリンスターとハワード両公爵家のお話。始まった王国動乱に対し両公爵家が如何にして戦の覚悟を固めたのか、そしてアレンの凶報とも言える知らせを聞いたリディアは…というお話です。そのリディアのみならず、両公爵家でも、そして東都で共に闘っている近衛騎士団や他にとってもアレンが大きな存在である事がよく分かるお話でした。とりわけリディアの絶望と怒りは…、これ以上無い位よく伝わってきたなと。しかし侯国連合の背後に聖霊教がいる事も判明し、戦乱が長引きそうな予感がする中、アレンは…。次巻の展開も気になります。2020/08/09
げんごろう
14
アレンという男がどれだけ人々の“希望”になっているのか改めて実感。彼が見せた強さ、優しさ、甘さ、勇敢さ。全てを背負い命を賭すその覚悟にただただ感服。 そして“最強”リディヤの“最弱”な姿。あの咆哮には激しく心を揺さぶられました。 早く彼女の笑顔が見たい……。2020/07/27
真白優樹
13
アレンの生死不明の方に各公爵家がそれぞれ戦争の為に動き出す中、リディヤの心が闇に堕ちる今巻。―――白が紅蓮に、黒に染まる時、世界の全ては燃え落ちる。 動乱が更に激しさを増し、公爵家の面々も無関係ではいられぬとそれぞれ参戦する中、心の均衡を失ったリディヤの制御されぬ本気が戦場を蹂躙する今巻。アレンが仲間と分断され、リディヤが教え子達の慟哭が心に突き刺さる、更に痛ましさと重さが増していく巻である。まだ終わりが見えぬ動乱の中、囚われたアレンを何が待つのか。再会はいつ来るのか。 次巻も早めに読みたいものである。2020/07/27