内容説明
湯治客で賑わう短い夏も終わり、湯屋『狼と香辛料亭』は秋を迎えていた。山々に囲まれたニョッヒラの秋の味覚を堪能しようと、いつも以上に張り切るホロとあきれ顔のロレンス。山での散策を終え、籠いっぱいの土産とともに二人が湯屋に戻ると、入り口にはたくさんの人だかりが。「なんじゃ、よくわからぬが、色々な獣の匂いがしんす」 湯屋『狼と香辛料亭』にやってきた、時季外れの客たちの目的とは――。書き下ろし短編『狼と収穫の秋』に加え、電撃文庫MAGAZINE掲載短編4本を収録した、湯屋での物語第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
129
狼と香辛料も20巻。読んでいる場所も忘れてニヤけてしまうホロとロレンスの甘々な生活。長命なホロの葛藤や小さな村で起こる事件などの短編が収録。終盤の湯屋経営を一旦休んで旅に…という部分でまだまだ続くな、と思ったり。羊皮紙共々、続編もまだまだ出るとの事で嬉しい限り。2018/10/19
よっち
42
ルワードが持ち込んできた狼に関する依頼、繁盛する湯屋を探りに来た異端審問官、ホロとロレンスのとある日常、硬貨不足に悩む温泉街に、湯屋に珍客が訪れる旅の続きの物語の第三弾。すっかり温泉宿の主人として落ち着いた感もあるロレンスとホロですけど、相変わらず飽きさせない甘さがあったり、繁盛こそしていても意外と安定していない『狼と香辛料亭』の現状も明らかになったり、この作品らしさをじっくりと堪能できました。それにしても珍客の訪問からの思わぬ展開でしたけど、ここからまた新たな二人の旅の始まりを期待してもいいんですかね?2018/02/11
た〜
42
あまーい。あいも変わらず甘々な短編集。ちょっとした事件も甘さを引き立てるひとつまみの塩。甘々な二人の物語もいいけれど、そろそろ塩と香辛料をたっぷり利かせた長編も読みたいな。と、思ったら次回は再び二人の旅のお話!?期待しちゃって良いのかな2018/02/11
中性色
41
エリンギまいたけブナシメジ。今回の短編集もこの作品らしいゆるい空気がいい感じにできている。まぁ短編という形式上、長編ほどの起伏を書きづらいのは仕方ないかな。というかまだ短編は続いていくのか。そのうちまた旅路ものになっていくんだろうか。個人的にはセリスが好み2018/02/16
まりも
41
ホロとロレンスの営む湯屋「狼と香辛料亭」で起きる様々な事件を描いた短編集も3冊目。この安定感と安心感、そして程よい糖度。今回もたっぷりと堪能させてもらいました。ただ甘ーいだけじゃなく、ラストにちょっとしたサプライズを用意してくれる辺りも流石ですね。甘いのも良いけどたまには刺激があったほうが良いって言うのはどこの世界も一緒やろな。次巻は夫婦になったロレンスとホロだからこそ出せる刺激的で甘ーい旅模様を期待したい。2018/02/11