内容説明
梶井基次郎の『檸檬』が人気イラストレーターとコラボレーション!小説としても、画集としても楽しめる1冊。
不朽の名作が、いま新たによみがえる。
梶井基次郎の『檸檬』が、書籍の装画やCDジャケットなどで活躍し、twitterへのイラスト投稿では5万いいねをたたき出す人気イラストレーター・げみによって、鮮やかに現代リミックス。全イラスト書き下ろしで贈る、珠玉のコラボレーション・シリーズです。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊です。
*この電子書籍は固定レイアウト方式で作成されています。文字の拡大・縮小や、検索、ハイライトなどの機能は利用できません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
196
初めて読んだのはいつだったかも忘れているのに・・あの頃はただ字面をなぞっていただけだったろう。げみさんのイラストがどうにもしっくりくる。今なら少しは感じることが出来る。この文章の美しさ。この唐突さ。鬱屈した何かを抱えて生きていた頃はないですか?2018/08/08
たっくん
172
肺の病気、神経衰弱、植菌のせいばかりではない、「えたいの知れない不吉な魂」に抑えつけられ憂鬱な心情の「私」、ある日、京都の町を歩いていると寺町通里の果物屋に私の好きなレモンが並べてあった。レモンをひとつ買い、それを握ってみると「不吉な魂」が幾分和らぎ、幸福を感じた。そして「丸善」に寄ってみると、再び憂鬱が立ち込めてきた。「私」は、買ってきたレモンを画集の上に置いてみると・・「得体の知れない憂鬱な心情」を色彩豊かな感情で詩的に描いた名作だが・・難解。2024/01/20
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
167
人に優しくありたいと、ねがいながら。うまくいかないことも多いのです。伝わらなくて地に落ちて、踏みつけられて果肉が出ている、黒く汚れた私の檸檬。ああかなしいな、かなしいな。どうしたらよかったのかなと思い悩むと、それはいっそ憎しみに変わってしまうときもある。いっそのこと目が覚めるような美しい檸檬色ではなく、爽やかな香りのものでもなければこんなにもかなしくなかった。それでも置いてしまう暗い街に、土ぼこりのなかに大好きな檸檬。爆発するのかしら、美味しい檸檬ケーキとして食べてくれるのかしら、私の檸檬。2020/04/26
gtn
96
著者が京都の佇みで求めていたのは、作り物ではなく、清冽なもの。それが、寺町二条の果物屋で偶然求めた檸檬。偶然ではなく、必然だったのかもしれない。2023/07/08
aquamarine
95
げみさんのイラストは私の思う檸檬の世界と似ている。病や貧困を忘れ、裏通りが遠くの街になる。びいどろのおはじきを口に入れたときの幽かな爽やかな涼味が背徳感とともに私の口にもやってくる。果物屋の人参葉の鮮やかさや夜の通りに流れ出る裸電灯の光が心を締め付けるほど美しい。紡錘形のレモンエロウ。彼とともに冷たさと鼻を僕つほどの香りを吸い込んで私は束の間どこにいただろう。丸善に入り急に憂鬱になる気持ちも突然城壁を作り出した気持ちも今ならばわかる気がするのだ。中学生の私に伝えたい。ちゃんと檸檬は爆弾になるのだと。2019/07/02
-
- 電子書籍
- 男には「愛の首輪」をつけなさい




