内容説明
人気シリーズ「乙女の本棚」第12弾は坂口安吾×イラストレーター・夜汽車のコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。
師匠の推薦で、夜長姫のために仏像を彫ることになった耳男。故郷を離れ姫の住む村へ向かった彼を待っていたのは、残酷で妖しい日々だった。
ノスタルジーを感じさせる美しい作品で大きな話題を呼んでいるイラストレーター・夜汽車が坂口安吾を描く、珠玉のコラボレーション・シリーズです。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
*この電子書籍は固定レイアウト方式で作成されています。文字の拡大・縮小や、検索、ハイライトなどの機能は利用できません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
80
乙女の本棚シリーズ。坂口安吾の性癖か…美しい少女が男を惑わし残虐な仕打ちをする。▽長者の一人娘のヒメのために仏を彫るよう命じられた耳男。上手くできたら褒美にやるといわれた機織り娘エナコに耳を削ぎ落とされる。耳男は恨みを込めて、蛇の生き血をすすりながらバケモノを彫り上げる。村に疫病が蔓延し多くの死者がでるのを、ヒメは嬉しそうに眺めていた▽耽美系2021/06/19
寂しがり屋の狼さん
54
【乙女の本棚】シリーズ11冊目📚️師匠の推薦で夜長姫の仏像を彫ることになった耳男。故郷を離れ姫の住む村へ向かった彼を待っていたのは残酷で妖しい日々…シリーズの中でも読み応えがあり挿絵も素敵💓『夜汽車』さん描く少女は可愛いけれど妖艷で物語を引き立てるもの(≧∇≦)同シリーズの中でも上位の作品(私見)です(*^.^*)2019/12/23
ちえ
49
最初、ちょっと長いな…と思ったけれど一気読みだった。「好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ」流石に坂口安吾、とは言ってもそれほど読んでいないけれど。『桜の森の満開の下』よりなお妖しく恐ろしい。どちらも狂気だが、こちらの方が虫唾が走りながら、見たくない…それなのに惹きつけられる。語りが全て耳男というのも効いている。イラストは『桜の森の…』もそうなんだけれど、男が美し過ぎる…。そこだけが残念。2021/10/31
@com
44
無邪気とはヒメの様な事なのか… 切ない儚い お話だった…2020/02/03
gtn
40
男の意地も怒りも力みも、そしてこれらを昇華することさえも、無邪気な女の前には無力。すべて無駄なこと。"無邪気"の同義語は、天真爛漫ではない。"鬼"であり、"神"である。2023/04/09