内容説明
人気シリーズ「乙女の本棚」最新作は泉鏡花×「刀剣乱舞」イラストレーターのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!
外科室での手術で麻酔を拒否する夫人。その視線の先には、外科医・高峰がいた。
本書は、有名小説と人気イラストレーターによる珠玉のコラボレーション・シリーズ「乙女の本棚」の1冊です。
今作では、『刀剣乱舞』のキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは夢野久作『瓶詰地獄』を担当するなど、数多くのイラスト・マンガを手がけるイラストレーター・ホノジロトヲジが泉鏡花を描きます。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。オールカラーで小説と描き下ろしイラストが楽しめます。
*この電子書籍は固定レイアウト方式で作成されています。文字の拡大・縮小や、検索、ハイライトなどの機能は利用できません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
105
伯爵夫人は、麻酔をしないでくれという。 しかし、痛いから。 麻酔なしには手術が出来ないので、 周りの人達が伯爵夫人を説得する。 麻酔は要らぬ、切ってくれと頑なに拒否する夫人。 医学士はついに麻酔無しで夫人の白い胸にメスを入れる。 夫人は医学士に、 「貴下だから、貴下だから」 「貴下は、私を知りますまい!」「忘れない」と言い、ばつたり枕に伏す。 描写が美しい。そしてエロい。2021/04/01
ナイスネイチャ
99
図書館本。この時代にしてこの内容は受け入れられたのか?麻酔無しで手術とか血腥い感じ。絵の方も作風にピッタリ。2020/02/16
寂しがり屋の狼さん
97
泉鏡花の原文にホノジロトヲジの幻想的な挿絵。とても不思議な世界…【乙女の本棚】として他の文豪の作品もシリーズ化してるみたいだから読んでみよう(*^.^*)2019/10/14
アキ
84
金沢生まれの泉鏡花。1895年・明治28年、鏡花22歳の時に書かれた短編を、乙女の本棚シリーズで美しいイラストとともに堪能できる。文章のレイアウトも1文に1頁使うなど印象的。伯爵夫人の「かよわげに、かつ気高く、清く、貴く、美はしき病者の俤」の姿、医学士高峰のメスによる「雪の寒紅梅」胸から流れる血汐、伯爵夫人の最期のことば、9年後の彼の最期。黒い背景に鮮やかな赤でその優美なる世界を表わす様は、文語体の文章とともに、ここではない遠い世界を感じさせる。泉鏡花の生家は、現在泉鏡花記念館として訪れることができる。2020/08/05
J D
67
明治時代の奥ゆかしすぎる恋。好きだという感情。伯爵夫人が麻酔を拒む理由が、理解の範疇を超えてくる。高峰医師への恋心。泉鏡花初めて読んだと思うけど、時代を感じるなぁ。漱石の青春三部作を思い出した。そうそう、今回も挿絵が作品にマッチしていて、難解な言葉を理解することを後押ししてくれた。このシリーズ次は何読もうかな。2024/07/28
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