日々ごはん(11)

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日々ごはん(11)

  • ISBN:9784877586881

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内容説明

中国へ出かけたりしながら日々は続きます。『日々ごはん』(1)~(12)の続きは、『帰ってきた日々ごはん』として2015年発売。

<ある日の日記より>
朝ごはんに、スイセイが冷たいうどんを作ってくれた。ツルツルと食べながら、「宮崎駿みたいな空じゃのう」と言う。本当に。ラピュタの空のよう。水色がいつもよりくっきりと色濃く、真っ白い雲が意志を持っているみたいに浮かんでいる。
洗濯物を干しながら、そんな空を見ていたら、ふいに泣きたくなった。
カラオケで郁子ちゃんが歌っている時、私は泣いた。その前に、「トネリコ」で飲んでいる時にも泣いた。泡みたいに儚い、終わってしまう時間のことを思うのだ。いちばん楽しい時に、こんなのを感じるようになったのは、年をとったということだろうか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

39
料理家の日記。一芸に生きることの厳しさが、年齢とともに重くなってきた。持て余した感情を振り回し、夫のスイセイ氏や仕事仲間の一言にハッとする。いつの間にか荒地に一人立ち尽くしている。本巻では度々出張で家を空け、その間はスイセイ氏が留守番日記を書く。著者と比べるとママゴトのように稚拙な調理が微笑ましい。一人一人違って当たり前。でも理想を追えば許せない事が増える。仕事は自分を高めてくれるが、油断すると取り憑かれ、呪いの業火で炙られる。美味しいものを教える仕事も例外ではない。著者は相変わらず元気いっぱいだ。2020/06/24

ビスケ

11
土の匂いや移りゆく季節の空の色……。高山なおみの文とご飯は、いつもそういったものが反映されているように感じる。今回は旅が多かったこともあり、「旅人」としての視点も入っていて読み応えがあった。このシリーズがあと少しで終わるのかと思うと切なくなってしまうが、終着点を楽しみに見届けたい。2009/09/14

まど

8
風景の描写に力強さと繊細さが現れていて、高山さんの作るご飯みたいだ。何気ないけどキラキラした尊い短い時間の重なり。スイセイさんとの関係や飛行機のことにジーンと感動。毎日のごはんもおいしそう。すべてが真似できそうでできない。2010/06/25

ちゃんいー

7
高山さんの留守中、スイセイさんパンとラーメンばかりだ 男の人ってそうだよなぁ。高山さんいつもまとめ髪だけど美容院によく行ってるんだー 撮影も打ち合わせも自宅でするなんてのんびりしてるようだけど大変なことだな〜とか思いながら読みました。 2009/09/23

ケイ

7
高山さん、よりのんびりした空気を放出。柔らかくゆるく心地が良い。スイセイさんの運転のひとりごと、実に胸きゅん。2009/09/14

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