内容説明
さまざまな出会い、別れとともに日々は続きます。『日々ごはん』(1)~(12)の続きは、『帰ってきた日々ごはん』として2015年発売。
<ある日の日記より>
家族とか、暮らすとかいうことは、毎日だらだらと、なあなあで過ごしてきているようだけど、固くて安心だと思っている地面は、あんがいと柔らかいのに、毎日ごはんを食べたり、親戚やら集まるたびに、毎年恒例のご馳走を作ったりもする。笑ったり、泣いたり、大人たちに囲まれて愛されて、親と喧嘩したり、おばあちゃんにひどいことを言ってしまったり。そんな毎日、子供のころからの、ふとした瞬間に見たどうでもいいようなシーンが、見えた時のまま、私の体に残っている。
こんなもんだよなぁと思う。スローライフとか、今流行っているけどさ。畑からひっこ抜いてきた葱と同等に、カラオケやヘルスセンターや演歌やら猫のうんこやらがある。毎日って、なんて図太いんだろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
35
料理家高山氏の2005年3〜8月の日記。相変わらずよく飲みよく食べる。読んでいるとお腹が空いて仕方ない。やっぱり日記は楽しい。お腹がゆるくなると分かっていても筍を食べちゃうとか、こんな情景は日記だから味わいがある。夫婦でのフランス行きから帰って、箸派のスイセイ氏(夫)が「ナイフとフォークで食べる旨さもわかる」と言いだす。なるほどと思う。味覚は頑固と言うけど、何かのきっかけで変わる場合もあるなと合点した。一人で食べる時は誰かと食べる時と違い、味がドーンとストレートにくるという気付きも分かる気がした。2018/10/31
ぶんこ
25
日々ご飯も4冊目。 相変わらず夫婦仲が良くて気持ち良く読めました。 タクシーの中で吐きたくなった時、自分の鞄に吐かせてくれたスイセイ。そんな夫に、「自分は何をしてあげられるだろう」と考える高山さんにグッときました。15年前の洗濯機を買い換える時の迷い方に、堅実な生活が垣間見得て好感度アップ。何てことの無い日記なので、4冊目ともなると、少し飽きてきましたが、それでも止められません。 後2冊手元にあります。楽しみです。2014/06/25
のぼる
7
スイセイさんの言葉「忙しい人には、春は来ません!」が印象的。普段家族のごはんを作っていて、一人だとおいしく作ろうとさえ思わないとこ、わかるなあ。遠距離恋愛時代の電話のエピソードも素敵。虹を知らせてくれる下の階の男の子、なんて可愛らしいの!「毎日ごはんを作って食べていると、完ぺきな献立に飽きがくる。」そうかも。高山さんはいつもスイセイさん作の料理をべた褒めして書くが、好きな人の作った料理だからだと思う。なのに、毎年誕生日を忘れられているスイセイさん…。相変わらず自然な空気に溢れている本。2013/06/19
yomite
4
実生活ではない、手続きのあれやこれやで、忙しく終わった一日の寒々しい気持ちは、すごくよくわかる。そういう事務的手続きを、何てことなく、てきぱきやれる人ってすごくうらやましく思っていた。みんながてきぱきできるんだとも思っていた。そんなわたしと同じような人が、他にも居るのかと知ったら、安心した。高山さんの普段の普通の開けっ広げなスタイルが、わたしはわたしでいいのだな という自信と安心をくれる。2010/07/04
ヒグフミ
4
2007年なんかハマッてずっと読んでた。高山先生が読んで面白かった本が載ってるところも好き。2007/06/18