内容説明
10巻では「スイセイ留守番日記」が初登場します。『日々ごはん』(1)~(12)の続きは、『帰ってきた日々ごはん』として2015年発売。
<ある日の日記より>
そういえば昨夜、「自然」ということについて、寝る前に考えていた。私が思う自然というのは、土とか木々ももちろんそうだけど、動物、空、雨、晴れ、光、虹、風とか、気温の変化とか、空気とか。時間もそう。人間が作意を持って、脳味噌を使って作られた以外のものがぜんぶ自然、かな? 街、建物、駅、地下鉄、電車、車、アスファルトなどは逆のものだけど、実はそういうものの中にも混じって、いっしょくたにあるもの。人間が到底つかまえられないもの。身をまかせるしかない、考えても仕方のないようなもの。そういうののことを自然といって、私にとって、それはいちばんくらいに大事なことなのだ。
夕方になって、空が黄色くなったかと思ったら、ぽつりぽつりと降り出した。そのうち、屋根をたたく大降りに。せいせいとした気持ちになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
4
なおみさんが、新しい場所へむかってる姿を送り出すような気持ちで読む。2009/08/02
リタ
3
高山さんの日常は安心する。儚いけれど、確かにそこにある生活。大切にしたいものを間違いなく抱きしめている、やさしい日々の連続です。秋から冬。季節が移ろうように、高山さんをとりまく現実も変わってゆきます。そのスピードに、彼女は彼女なりのペースでついていく。しんどさよりも新しいことへのワクワクした気持ちがふぅわりと伝わってきました。まるで高山さんの呼吸に合わせて息をしているような、居心地の好いエッセイでした。2014/07/25
ちいさな図書館
3
半身浴読書でコツコツ読みながら、ついに10巻読了。新しい1歩を踏み出し始めるときの心の動きや、浮き足立ちそうになるときのぐっとおさめる感じ、とてもわかる。わかるから、そこから先の対処の違いにやっぱり感心したり、自分の肚に力が入ったりできるのだなぁ。2013/12/04
yomite
2
それまでと違って、すごく詰まった感じになってきている。それは、仕事が多忙になってきているからだろうと思う。やたら涙もろいし。日々ごはんの単行本は12巻までの予定らしいから、この後は12巻が出て、11、12をまとめて読もう。スイセイさんの留守番日記が、面白かった。もっと読みたいくらい。2010/07/15
ヨルボタル
2
まさかのスイセイさんの留守番日記が!!スイセイさんの文章もいいです。2010/02/03