内容説明
変化しながら、日々は続きます。『日々ごはん』(1)~(12)の続きは、『帰ってきた日々ごはん』として2015年発売。
<ある日の日記より>
ベランダのいちばん近くの木に、めじろが来ていた。
ほとんど毎日家にいるので、季節の微妙な移り変わりをしっかりと感じられるようになった今日このごろ。今まで私は何十年も店の中で働いてきたから、外の変化にうとかったなーと思う。どんどん日が短くなる感じなんか、この年になるまで知らなかった。本当にすごいんだ。毎日少しずつ変わっていって、自然界では同じ日なんてまったくないのだと分かる。紅葉が輝いていることに気がついたあの日は、すでにあの日でしかなくて、もうすっかり葉が落ちて裸になった木に、この間は雪が積もった。そして今日はちょっと暖かく、めじろがその木にとまっていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
29
料理家の仕事がメインになった。酔っ払って度々ケガをし、そのあたふたした様子や、夫のスイセイ氏が心配したり叱ったり、一緒に酔っ払ったりする所が微笑ましい。優等生であろうとしたら創造する仕事はできないと思う。ゆっくりと加齢を実感するが、これも一つの成長なんだな。この「ゆっくりと」が日記ならでは。でも何でも書く訳ではなく、プロのモノ書きとして抑制が効いている。料理の実験が絶え間なく行なわれ、ちょっとした工夫でグッと変わるのが面白い。野菜をふんだんに使い、それが実に美味しそう。2017/08/06
まみ
11
ほっとする本。高山さんたら料理家なのにずっと家にいたら「ごはん作りにもそろそろ飽きてきた」とか言ってしまうんですよね。飲んだくれて転んで怪我したり、二日酔いで一日中布団の中にいたり、永谷園のお茶漬けのもとをスープにして食べたり。かと思うと月を見て「大男が爪を切って放り投げたような形だった。白くて」なんてことをさらっと書かれていたり。レシピも相当好きだけど人間としてとても好き。おまけレシピは豆腐入りドライカレーがおいしそうだった。2009/07/15
kuchen
8
エッセイ第二弾。毎日のことを飾らず語る。手間を惜しまない日もあれば、適当に済ませる日もある。周囲の人の関係もいい。信頼され、愛されているんだろうなあ。料理は参考になる。簡単なところで、トロリとした牛乳寒天、おでん、梅しょうゆは試してみたい。2021/05/23
こまっちゃん
8
寝る前にベッドの中で読むのにぴったり。やたらよく寝る高山さんにつられて、すぐに眠くなれます。2015/06/11
Takako
7
料理家・高山なおみさんの日記。2002年9月から2003年2月まで。日々起こった出来事がシンプルに綴られている文章がやっぱり好き。この方の夫婦や家族のあり方が「ドミトリー」と表現されているのが、とっても好ましかったなあ(詳しくはご覧あれ)。2019/07/02