内容説明
都のあちらこちらに楽しげに現れては、伽羅の匂いを残して消える不思議な女がいた。露子姫の前にも姿をみせたという。その話を晴明が耳にした翌日、蜘蛛の巣に妙なものがひっかかったと僧が訪ねてきた。早速、博雅と寺に赴き、蝶のようなそれを放すと……。はたして女の正体とは? 天皇の命で博雅が童と笛比べをする「笛吹き童子」、鼠の化生を助けた事を口にしてしまい逆に命を狙われるようになった男を救う「不言中納言(いわずのちゅうなごん)」ほか、全9篇を収録。宿命のライバルである蘆屋道満との対決にも要注目。晴明の呪、博雅の笛が京の怪事件を解き明かす大人気シリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
188
本日、第四弾!陰陽師シリーズ30周年記念完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11399200?sort=book_count&order=desc 今回は、第十五巻です。「醍醐ノ巻」と言うよりも「蟲の巻」という感じでした。オススメは『はるかなるもろこしまでも』&『夜光杯の女』です。続いて第十六巻、暫定ラスト「陰陽師 酔月ノ巻」へ「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」 https://books.bunshun.jp/sp/onmyoji2019/05/30
蒼伊
73
相変わらずの面白さでした。同じような展開の話もあるのにマンネリを感じることもなく、むしろ変わらない晴明と博雅に安心して読むことができます。むしろこの二人にはいつまでもかわらず庭先で酒を酌み交わしていてほしいなぁ。ただ少し気になったところが、二人の台詞の「~だ」が「~じゃ」になっていたところ。前からそうだったっけ?2014/01/28
白きゅま
62
陰陽師シリーズ第11弾。秋の夜長にはもってこいの短篇集9編。全体的には、少し哀愁の漂う話しが多い中で、「白蛇伝」のようなラストは正直ホッとします(^^)/その他では、「笛吹き童子」や若干笑いを誘う「きがかり道人」、「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を思い出させる「夜光杯の女」等どれも秀作揃いな一冊でした!このシリーズは、龍笛ノ巻位から少し雰囲気が変わったように感じますが、良い方向に進化している作品です。また文章も短くて読みやすく、長編小説を読んで、少し疲れてしまった方にオススメの箸休め的小説です!2013/11/14
KAZOO
53
文庫版ですべてこのシリーズは読んでいますが、15冊目がやっと出たという感じですね。いつも読んでいて思うのは映画のイメージを連想してしまい、野村萬斎と伊藤英明の顔がちらつきます。今回は拾い物の感じがしたのは、マザーグースに出てくるような話があって印象に残りました。2013/11/10
はなん
48
ゆるゆると進む時の中に、今回は寂寥感?とでもいうのか、とても物悲しい景色を感じた一冊だった。節目の年であったこともあるのかな。やさしく かなしく おだかやで さみしい。私の中でそんな位置に落ち着きそうな物語たち。2013/11/21
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