内容説明
平安京にうごめく魑魅魍魎(ちみもうりょう)に、陰陽師・安倍晴明と親友の源博雅が立ち向かう、お馴染み「陰陽師」シリーズ第4弾。「晴明、道満と覆物(おおいもの)の中身を占うこと」では、晴明とライバルの蘆屋道満が、宮中で方術比べをすることに。実力伯仲のふたり、勝負の顛末は? 愛人ができた夫に離縁され、恨み死にした女。しかし死後40日たっても、その死体は腐ることはなく──女の悲しき情を描いた「青鬼の背に乗りたる男の譚(はなし)」他5篇収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
201
陰陽師シリーズ30周年記念完読プロジェクト https://bookmeter.com/users/512174/bookcases/11399200?sort=book_count&order=desc 今回は、第四巻です。本巻のオススメは「泰山府君祭」&「晴明、道満と履物の中身を占うこと」です。 続いて初長編「陰陽師 生成り姫」へ「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」 https://books.bunshun.jp/sp/onmyoji2019/05/05
KAZOO
136
この第4作目には7つの話が収められています。蘆屋道満が二つの話に絡んで存在感を徐々に大きく出してきています。この頃は少し晴明に対して敵対的な感じもします。最近出版されているものでは酒が飲みたくてやってくるいい爺さんになっています。いろいろ楽しい話があります。が、ちょっとしたことでその人物の怨念が残ってしまうということなどが怪異を生み出すのでしょう。2017/09/10
眠る山猫屋
58
再読。様々な怪異に触れながら、平安の闇を過ごす晴明と博雅。今回は博雅はあくまでサポートに徹している感じ。道満法師とのイカサマ勝負で締めくくるあたり、良かったな。晴明と道満、二人は貴族たちの思惑の届かない場所で生きている。2020/02/26
るぴん
44
4作目。泰山府君祭。死者を蘇らせるということは、それを願った者も蘇った者も決して幸せにはなれない。蘆屋道満が絡んでくる話が数編。映画での悪役の印象が強いけれど、原作では悪人という感じはしない。力を持て余すが故に晴明にちょっかいをかける親戚のおじさん的イメージ。対決しても最後には酒を酌み交わしてるし。道満もまた天才であるからこその孤独を抱えていて、博雅とは違う意味で晴明を理解する者だと思う。「おれは、こうやって、ほろほろととりとめなくおまえと酒を飲んでいるというのが心地良いのだ」しみじみと呟く博雅がいい。2020/04/08
HMax
43
博雅の清々しさの正反対をゆく蘆屋道満の話しが二つ。いくら修行をしても人は人、良い酒を桜の木の下で飲み、よい笛や琵琶の音を聴くことが出来れば、全てよし。それにしても清明、どうして村上天皇のことを「あの男」と呼ぶのでしょうか。お気に入りは「髑髏譚」と「泰山府君祭」。無用な殺生はやめましょう。2020/03/07